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「パート・ド・ヴェール 金子守・船田更織 二人展」に行って来ました
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いやはや、これまた、ずいぶんさかのぼります。5月24日(土)。
この日、わたしは、京橋の藍画廊さんで伊藤三恵子さんの個展を取材したのです。
そのあと、まだ午後で時間も早かったので、自由が丘でやっていた作家さんの陶芸展を
観に行こうか迷ったのですが、既に小雨もぱらついており、体力的なことを考え断念。
そのまま、昨年暮れに取材させて頂いた、純画廊さんのある、
奥野ビルに移動したのでした。奥野ビルは、ギャラリーがたくさん入っているので、
一度、館内(ギャラリー)巡りをしたかったんですよね♪

先に、純画廊さんに顔を出すと、画廊の内藤純子さんは、今日はお休みで、
旦那さまの内藤さんとしばしお話しを。純画廊さんに行くのは二度目で、
個展や企画展以外の時の、常駐展というのを見たことが無かったので新鮮でした。
(写真撮ってくればよかったですよね、すみません。)
セザルコルネオさんの、「PLACE OF ENCOUNTER」というブロンズ作品や、
塚本誠子さんのよく見たら木だった作品など、初めて見るものばかりで濃かったです!
内藤さんが、
「うちのの、まっすぐと、じぶんのまっすぐが、微妙に違うんだよね」
と、展示している作品の上の部分の”まっすぐ”について、何気なく話されたのが
印象的☆ どうも、どちらも、どちらかが、どちらかよりだったようです(笑)
なんか、そういう、とっても何気ないことが嬉しいというか、ほっとしたというか*
純画廊さん、また、来ま~す♪と、あとにして、館内をぐるぐる回っていきました。

何箇所か見てて、ぱっと魅かれたのがこちら。なにこれ?可愛い~*
なんなのかもよくわからず、引き寄せられてゆきました。
背の高い、カメラマンのようなイデタチの男性の方がいらっしゃいまして、
いろいろご説明くださいました。作家さんのようです。
DMを拝見すると、ギャラリー403さん、というギャラリーで、
金子守・船田更織さんの二人展ということのようでした。
観ていると、オーナーから電話があり、迎えに行くの遅くなるから、
まだ銀座で遊んでていいよということだったので、せっかくなので、
急遽ですが取材させていただくことになりました☆

この展示会はとっても気に入って、是非、夏の暑い時にUPしよう!
と思っていたため、UPが遅くなってしまい、ごめんなさい。

お話し下さったのは、金子守さん。このガラスみたいなのは何ですか?と
お伺いすると「パート・ド・ヴェール」というものだそうです。
パート・ド・ヴェール? 初めて聞きました。

説明書きの板を読むと、フランス語で、ペースト状のガラスという意味だそうです。
フランスのアール・ヌーボー初期のロダンと同時代の
彫刻家アンリ・クロ(1840~1907)が、着色された蝋を使って
レリーフ作品を作っていたものの、脆く欠けたり溶けたりしやすいため、
蝋の質感を残しながら丈夫なものは出来ないかと考え、
様々な色ガラスを砕いて粉状にした物を糊で練って耐火性の型に詰めて焼き、
溶かして固めた後に、型を壊して中のガラスを取り出すことを思いついたそうです。
めんどくせ~!(笑)というか、そこまでして、作りたかったんですね*
この技法のことを、「パート・ド・ヴェール」というのだそうです。

しかし、糊なので、焼けた後、不純物の影響で無数の泡が発生し
砂糖菓子のようになり、求めていた蝋の質感が得られなかったそうです。
可哀想に。。。その後、弟子の、アルマッリク・ワルター・アージー・ルソーと、
フランソワ・デコルシモン等になって、ようやく蝋の質感を持った作品が
出来るようになったそうです。

ところが、第二次世界大戦を境に、この技法は途絶え、
戦後暫らくはガラス工芸の中でも最も難しい幻の技法と言われてきました。
この技法では形も蝋で原形を作るために手で納得がいくまで自由に表現が出来、
色も粉末状の為、混色や濃淡が思いのままに調節できるのが、
大きな特徴となっています。

・・・とまあ、こう書いてありますが、はて。
幻の技法で、日本で個展を開いている金子さんですが、
「パート・ド・ヴェールは知らない人多いよね。
 入ってくる人、入ってくる人、皆に、これはなんですかと聞かれる。
 説明すると、そうなんですかと驚かれる。
 自分も今回、個展をやってみて、いかに、知らない人が多いか、
 パート・ド・ヴェールが知られていないか、よくわかった。
 パート・ド・ヴェールは、せっこうで原形を作って
 粉状のガラスを詰めて釜に入れて焼いて、固まってから、蝋をとる。
 早くて3日、大きなものだと一週間から一ヶ月かかる。
 粉状のガラスが溶けることで、複雑に絡み合い、色が深くなるのが特徴です」

これが、ガラス。粉状のガラスが溶けて、こういう不思議な色になるんですね。
形も面白いものが多いし、色もなんとも一言で形容できない地層のようで、
見てるだけでも、面白いです!


(こちら、DMに載っていました「笑う猫」という作品*)

「もともと、写真をやっていたんです。
 偶然、内田邦太郎さんの作品展に行ったのが、始めたきっかけです。
 内田さんは、京都出身の陶芸家で、
 1976年に、幻の技法と言われて途絶えていたパート・ド・ヴェールを
 戦後、初めて日本で再現した方です。
 その作品展を見たときに、赤色がとても特徴的で衝撃を受けたんです。
 それで、1995年に内田先生に師事し、パート・ド・ヴェールの制作を始めました。
 20年位、細かい技法などを教わってきましたが、
 内田さんは、商業ベースに乗らない技法を、いろいろ資料を集めじっくり作りあげ、
 日本で広めて下さった方なんですよ。
 私自身は、葛飾区の青砥でUSガラス教室という教室を開いて、教えています。
 今回は、動物のオブジェなど、好きなモノを作りました。
 次回個展をやるときは、ランプを作ろうと思っています」

動物のオブジェ?! この小さいの、動物なんだ!と知り、テンション上がりました*
ただでさえ、形が面白くて、色も一言では形容できない、
混ざっているような地層のようなもので不思議なものが多いので、
動物だと思って見ていませんでした。面白いです*

この日は、わたしがいた時間(2~3時間でしたか?)だけでも、
お客様の出入りが激しかった。土曜日だったこともあり、
来る時はばー!っと波のように来て、あっというまにいっぱいになり、
金子さんも、説明に追われる。船田さんも接客で大賑わい。
誰かが帰ると、すーっと皆、引く波のように、帰ってゆく。
展示会の特徴かもしれませんが、はたで見ていて、同じような質問をされて
同じように何度も説明をされているのって、ちょっと大変そうだなあと思いました。
でも、それだけ、皆さん、「これなに?!」「どうやって作ってるの?」
と興味がいったわけです。作品に、それだけ魅力があったというわけです。
特に、ランプは、質問が多かった。偶然、この金子さんと船田さんの
パート・ド・ヴェール作品展を取材することができた、わたし。
ほんと、ラッキーだったかもしれません♪

もうひとかた、船田更織さんは、北海道出身で、
1988年にパート・ド・ヴェールに出会い、2003年、イラスト作家さんと二人展
( TOKYO DESIGN PARTY LIGHT GALLERYにて)を開催。
その後、金子守さんのUSガラス教室にて作品制作、グループ展などを経て、
今回、5年ぶりの展示会だそうです。
教室の先生で指導をされている金子さんと、技法などを受け継ぐ、
生徒さんである、船田さん、というお2人の作品展というのが、
とても変わっているなと思いました。

「パート・ド・ヴェールは知らないという方が多いですが、
 簡単に言うと、キルンワーク(電気釜で加熱する技法)の一部ですからね。
 業界では、増えてきているんですよ。お教室もありますし、
 生徒さんもいらっしゃるはずなんですが、ひとつ作るのに時間がかかるので
 例えば蜻蛉玉や、サンドブラスト技法のように、1日で作ることができる、
 手軽に体験できるかというと、そうじゃないですね。過程が多いですから、
 それぞれ時間がかかり、その都度自分で確かめて作っていかなくてはならない、
 人任せに出来ないので、1日の数時間で、お金を出せば、
 どんなものかわかるというものではないんですね。
 そういう意味で、なかなか、皆さんに知られていないのかもしれません」

確かに、ぱっと聞くと、工程が長くて難しそうと感じます。
でもこの出来上がった作品を見ると、そんな工程がすっとんでしまいますね。

こちらは、どうしても、どの角度の写真を載せようか判断に迷ったので
全部載せちゃいました* 恐竜の化石のようなもの、時間を経て
その形に削り取られたような流木のようなもの。空、雪。
見てるだけで、イマジネーションが湧いてきます*

「私の場合、イメージがぽわっと浮かんで、形にしていきます。
 北海道の自然や、心象風景です。キャストグラスという、粒粒のガラスを過程で入れて、
 抽象的な造形ガラスを目指しています」

船田さん、お忙しかったでしょうに、お邪魔してお話しお伺いして、
突然だったのに、ありがとうございました! 
金子守さん(先生)とは、また違う作風で、そのコントラストが楽しかったです。
これからも、素敵な作品を作り続けていってください! ありがとうございました☆

もと写真家だったという、金子守さん。わたしが写真撮影に苦労していると、
(午後だったので、ちょっと暗かった)
「こっちがいいよ、ここで撮りな。やっぱり明るいところでないと」
と、この窓際に案内してくださいました。さすが写真家! ありがとうございます!
というわけで、この窓辺に置いて撮った、小さな作品をご紹介していきますね。
皆さんも、この涼しげな作品を観て、夏の疲れをとってください*

う~ん* 青と紫の狭間が~*

赤。ローズ。真紅。小さくても宝石のように、存在感たっぷり*

う~ん。なんだかよくわからないところが、また、素敵* 色がいい!

綺麗です~。この色の混ざり具合* 化石を掘り起こした気分♪

薄ピンクの三日月の器。透きとおった泡ぷくが落ち着く*

赤いのは、動物だって、わかりますね* 煙がまだ動いているみたい。

こちら、確か、犬だとおっしゃっていたような。確かに犬だ!
そういわれて観ると、犬だ*なんともいえない曲線♪

船田さんの、DMにも載っていた作品「いつか見た空」
泡ぷくのつぶつぶが、たまりません*

船田さんの「雪の日」。この屋根の雪の垂れ具合と、下の銀色部分の
水泡のようなものが素敵☆

こちらも、船田さん。アンティークな感じが可愛いです*

この、青と緑。静かに中で動いててもおかしくないような。

このふたつは、暗いところでも撮りましたけど、形も色も素敵*
左のは、上から三番目の層が透明なのが不思議。あそこに何か
降ってたらいいのにと思っちゃう(空想です*)。
右のは、どうもこの色合いをみると、百貨店の九州物産展でよく食べた
いきなり団子(芋の黄色と紫色と餡の透明さを)を思い出します♪
あ~♪ なんか食べたくなってきた*

こちら、帰り際に撮った、台の上に飾られてあった小さい作品です。
あ~なんか、カキ氷みたい!氷の白と、苺シロップもしくは、スイカの赤と、
海と空の青色と、緑は・・・きゅうりかな?(笑*)>こじつけ連想です*

お~う♪マンゴーかな、パイナップルかなあ~♪緑はキウィかしら~♪
(連想が、食べ物ですみません*)

可愛い! 可愛い! この大きいのと小さいのが一緒にいるのが、いい☆
大きいのは、おにぎりみたいだし・・・(多分、わたし、今、お腹減ってるのかも;。)
小さいのは、ペンギンみたいだ♪

何気に、このひいているマットも素敵! へにょんとした唐草模様があってます!
いやあ~、ほんと、楽しかった♪
金子守さん、突然の突撃取材にもかかわらず、いろいろお話しくださり、
写真も撮らせていただき、誠にありがとうございました☆
恒例の、ポストカードプレゼントも、喜んで頂けて、嬉しかったです♪
この日、銀座に行ってなかったら、奥野ビルに行ってなかったら、
パート・ド・ヴェール、知らないままだったと思います。
まだまだ、全然、初心者の入り口ではありますが、短い間でしたけど、
午後の緩やかな時間の中で、いろんな色と形の作品を観る事ができたこと、
とても嬉しく、心地よく感じています。
3ヶ月経った今でも、昨日のことのように思い出せる、楽しい1日でした。
また、いつか、展示会をされる時は、お知らせ下さい!
お2人のご活躍、応援しています! どうもありがとうございました☆

■金子守 (二人展で、代表して、金子さんの略歴をご紹介させて頂きます)
 略 歴
 1951       東京都生まれ
 1971       東京写真学園卒
 1995       内田邦太郎師事 パート・ド・べールの制作を始める
 1997       コーニングNew Glass Review 18 入選
           USガラス教室で パート・ド・べールを教え始める
 1997/6     パート・ド・べールガラス3人展 ガラスギャラリーセイ
 1998/6     パート・ド・べールガラス4人展 ギャラリー美沙和
 2000/3     USガラス教室展 ガラスギャラリーセイ
 2001/1     USガラスの仲間達展 大丸ギャラリーてん
 2001/3     USガラス教室展 ガラスギャラリーセイ
 2002/4     USガラス教室展 ガラスギャラリーセイ
 2002/7     USガラスの仲間達展Ⅱ 大丸ギャラリーてん
 2002/9     パート・ド・べール3人展 画廊るたん
 2002/11     金子守 パート・ド・べール作品展 ガラスギャラリーセイ
 2003/7     ひんやり展 銀座 長谷川画廊
 2005/6     USガラス教室展 ギャラリーすどう
 2008/5     金子守・船田更織 二人展 銀座 ギャラリー403

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