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2007年11月29日 (木)

ボザール・ミュー 米田民穂個展『猫 or 猫?』に行って来ました

11月24日、銀座で急遽、2箇所、個展巡りをしてきました。
調度3連休ということで、人出も多く賑やか通り越してごった煮。
早々とクリスマスツリーが飾られ、華やかな電飾がきらびやかでした。
そんな中、ひときわ目立っていたのは、こちら。

思わず、ゼロが何個あるか数えちゃいました!2億のサンタクロースです!
まっきんきんです!警備員さんがいたので、「写真撮っていいですか?」
とお聞きすると、「いいですよ」とにっこり。カメラバックからカメラを取り出そうと
しゃがんでいたら、携帯のカメラで2人で並んで撮るカップルが、
あとからあとからやってきて、だいぶ待機させられました(苦笑)。

う~ん。神々しい!思わず拝みたくなります。この翌日、テレビのニュースにも
登場したようです!その他、目立ってたツリーは、こんなかんじ。
皆さん、いっしょうけんめい携帯のカメラで撮ってました。

さてさて。この日、先に今日が最終日の
純画廊さんでの水口かよこさんの木版画展を5時まで見に行き、
こちらのレポートは12月26日にUPしました。
そのあと、ボザール・ミューさんで初日で7時までの、
米田民穂さんの個展『猫 or 猫?』にお邪魔してきました。
とにかく、前も迷子になったんですけど、今回も見つからなくて大変でした。
1丁目から8丁目まで、ぐるぐる回ってしまい、間に合わないかと思いました;。
自分の方向音痴に呆れます。足が棒になりました・・・・・。

ドタバタと突然行ってしまいましたが、ボザール・ミューの宮地さんには
美味しいお茶とお菓子を、いただきました。おかげで、ひと息つけて、
落ち着いてみることができました。どうもありがとうございました*

米田民穂(マイタタミホ)さん。DMを見て初めて知った作家さんです。
DMの絵に凄くひかれて、気になってしょうがなかったんです。
初日だった事もあり、お客様も多くて大盛況でした。

この下のオレンジの額の絵は、ほとんど完売でした。初日なのに?!と
驚きましたが、確かに可愛いので、納得です。

この、キーホルダーとストラップも大人気でした。
わたしも買おうか散々迷いました!

こういう、マスコットグッズがあるのも、可愛いですね~。

う~ん。こういう、さらっとした感じって好きです。一部だけ、
ほんのりと色が付いてるんですよ。そこがたまらなく素敵です。

ああ、わたしが写りこんでしまってますね、ごめんなさい。
でもどうしても、ここの3枚並んでる絵は、気に入ってるので。
この絵も、そのままワインのラベルにしたいですね~。

この3枚は、ほんと、外国のワインのラベルにしたい。
小さな立ち飲みバー(?)に飾ってあってもかっこいいですね*
あと、この絵柄のTシャツか、めがね拭きがあったら、買いたいな~*

さあ☆きました。初めて拝見しました、米田さんの猫ちゃん。
この2匹の猫とうさぎと犬が主要キャラクターなのでしょうか。
思わず、ふふっと笑ってしまいます。この視覚のループがたまりません。
こういうの弱いんです。真ん中の、猫ちゃんの顔を見て、
右の柱に隠れているうさぎさんに目が行き、アーチ型の窓に白い雲を見て、
左の柱の猫ちゃん、最後にワンちゃんの大きな水玉。そしてまた白い猫ちゃん
→うさぎ→とエンドレスですよ!もう初っ端から捕まってる感ありありですね!
壁の色も好きだし。嬉しくてたまりません。

永遠のテーマ。ブランコ。しかも黄色いお花を持ってますよ!
可愛すぎます~~!なんともいえない翠色の空に白い雲。
まんまと、わたしの「ツボ」にはまっております。口の部分の、
鼻の脇の茶色の小さい丸い柄のところが、こ憎たらしい!触りたい*

無表情です。そこがまたいいです。顔はこっち向いてますが、ブランコは
動いているんですよね。青いお花を手に持っていますよ。可愛いなあ~。
こちらにも、白い雲。なんか、この猫ちゃんは、チョコ色で美味しそうだな。
つまみたくなっちゃう。しゃー!!って、ひっかかれるかな*

たんぽぽですよ~。綿毛をふーっ。もう子供時代にタイムスリップ。
郷愁とほのぼの感にひたりながら、この猫ちゃん2人は、この表情。
そこがたまらんのですね。絵の部分が丸いのって、おもしろいですね。
なんとなく、綿毛がどんどん上に行ってる感じがします。
そして、やはり、ここでも、雲に目が行ってしまうのです。

うわ~っ。かっこいいです!思わず、
西部劇スタイルしてもらいたくなっちゃいました。
壁がオレンジ色なのがたまりません。文字が扇形で、白い☆があって。
ドアにもたれる2人の上に小さな小窓。青い空と白い雲。
なんなんでしょうね。全然知らないで来たのに、自分の好きなポイントが
そこここにある絵を見ることができるって、わたし、ラッキーですね*

この絵も、妙にひかれます。黒い井戸?かなにかに自分が落っこちて
上から猫ちゃんに見られてる感じがします。3匹の位置から絶妙に見える
青い空と白い雲。あああ~なんか、自分が細部フェチになった気分です。
こんなものの見方でいいんでしょうか。段々不安になってきました。
でもね、だけどね、好きなんです。たまらないのです。

額に入って販売されていた絵で、この2つでとても悩みました。
左はもろ、わたしの好み。黒猫や、黒い模様の猫が好きなのと、
やはり青い空と白い雲のセットときたら、フルコースですよ!
でもね。右の黒猫ちゃんは、最初に見てひとめぼれ。
なんとなく、勝手に自分を重ねてしまいました。
わたしは、すごく守られていて、大事に大事にしてもらってきて。
とうとう背負っていたものも引きずっていたものもなくなったので。
ひとりでこれから、ほんとにこれからが、わたし自身の正念場で、
襟を正して、身支度整えてっていう心境だったのです。
コートが渋い緑色で好きな色だったこともあり。
なにより、黒猫ちゃんの目の輝き。それで、右の絵を購入しました。
今日という日に、ボザール・ミューさんに来れたこと。
米田さんの絵を見て思ったこと。わたしの状況。
それらすべての、記念ですね。忘れることはないでしょう。

こちらの絵が、DMに使われていた絵です。これを見て
「なんだなんだ、どんな絵なんだろう?」と気になってしまったのです。
実際に、見れば見るほど・・・・かわいいです。めんこいです。
なでくりまわしたくなります。ちょっと出てる手がまた非常に罪*
そういえば、どの絵も、額がいつもちょっと変わってますよね。
立体的っていうんでしょうか。

この絵を見たとき、ほんとに「うわー」と言ってしまいました。
かわいい!!!尻尾に青い蝶々ですよ。頭の中で「どんだけ~!」が
ぐるぐるです。(どれだけわたしの好きなものが登場するんだろう。
どれもこれも好きな絵だよ~という意味)このレンガ?の上にいるような
感じも素敵だし、なにやら文字が書いてあるのも素敵。
人にこびることなく、あてにすることもなく、自由気ままを謳歌する猫。
撫でたくて鼻息荒く、寄ってくる人間に「仕方ないから、触らしてやっか」
と流し目をする、懐の大きな、太っ腹な猫ちゃんでしょうか。
ほんと、このまま、そっくりお持ち帰りしたかった・・・。
見ることができて、ありがたやです。来てよかった♪

最後に、米田さんは、御本を出されているようです。こちらは、
絵本『ウサギの本/松浦寿輝:文』 『屋根裏のマコリン』

こちらが、一ヶ月前に出たばかりの新刊。
『ノボッチと木』 と 『峠の天使』
(文/伊集院静 絵/米田民穂)アシェット婦人画報社

伊集院静さんの文章って凄いなー!とびっくり。
中を見ると、絵本なので絵が全体を占めています。

「お話しに合わせて、イメージで描きました。
 すごくやさしい絵を描きたくて。見てくださった皆さんが
 やさしい気持ちになってくれたらいいなと思って描きました」
と米田さん。

「自分の絵だったら、自分の好きなように描けばいいけど、
 この絵本のお仕事は、自分に無いものを引き出さないといけない。
 眠っていたものを覚醒させる。自分ひとりではできない、
 人との仕事だからこそ、知らない自分が引き出されていくのが、
 楽しかったです」

そうお話し下さった米田さん。とても爽やかな笑顔で、
聞いてて、こちらも嬉しくなってきました。

こちらは、絵本用に描かれた原画。
ほう~っと息を吐きたくなるような、長閑さです。

うわあ。赤ちゃんですよ。小さな命の誕生です。
わたしは子供の頃、飼っていた犬のお産を見たことがあります。
わたしの母は、北海道出身で、子供の頃、飼っていた馬の出産を
見てきたそうです。そして、子供のわたしに、飼い犬の出産を
見るように声をかけてきたのです。母親と一緒になって、初めて見た、
動物の出産シーン。怖いこともなく、気持ち悪いこともなく、
子犬は懸命に生まれてきて、必死にお乳に向ってはいつくばって、
もぎゅもぎゅと動きます。母犬は、一匹一匹丁寧になめてあげてた。
その光景を思い出しました。子供ながらに、命の素晴らしさを知りました。
無事に生まれてきてくれてありがとうって思えました。
その後、大人になって、妹が子供を無事に出産したとき、
生まれてきてくれた小さな姪っ子に、感謝と感激でいっぱいになりました。
動物も、人も、命のぬくもり、重みは同じです。尊いものなのです。
けれど、いつか必ず、終わりを迎えるときが来ます。
さようならのとき。生まれてきてくれた時のことや、
出会った頃のことを思い出して、今までどうもありがとう。
ほんとうに楽しかった。あなたのことが大好きだった。
宝物の思い出がいっぱいで、嬉しいことがたくさんあった。
悲しいけど、悲しくないよ。だって、ありがとうがいっぱいだから。
またきっと、出会いましょう。そのときを、楽しみに待っています。
そんなふうに、お見送りできたらいいなと。
そんなふうに、日々、一瞬一瞬、接していけたらと思いました。

短い時間でしたが、米田さんご本人様とお会いすることが出来て
とても嬉しかったです。これからも、ご活躍、楽しみにしています。
どうもありがとうございました!

●米田 民穂(マイタタミホ)
1962年青森県生まれ。武蔵野美術大学卒業。
1988年から10年間バルセロナ、パリで制作活動。
主な絵本
『ウサギの本(文/松浦寿輝)』(新書館)
『屋根裏のマコリン』(新書館)
『ノボッチと木/伊集院静:文』(アシェット婦人画報社)
『峠の天使/伊集院静:文』(アシェット婦人画報社)など。
ブログ「どら猫NOTE」 http://doralife.exblog.jp/


●ボザール・ミュー
http://home.catv.ne.jp/hh/mieux/
東京都中央区銀座7-5-15 銀座蒲田ビル4F
画廊事務所 03-3571-0946
JR・地下鉄新橋駅、地下鉄銀座駅B6出口よりともに徒歩約5分

2007年11月23日 (金)

ガラスアート堅香子さんの体験教室に参加してきました☆

2007年11月10日、世田谷のガラスアート堅香子さんで、お友達の
イラストレーター、板谷雪枝さんと、体験教室に参加してきました!

板谷さんとは、昨年、飛び入りで、高円寺の蜻蛉玉ばぶるすさんで蜻蛉玉制作体験
をしたことがあり、当時、カメラを持っておらず、取材もしていなかったので
いってきた日記に書いただけでしたが、あの興奮と感動を
また板谷さんと味わえると思うと、楽しみでたまりません♪

ガラスアート堅香子さんは、5日の月曜日に、
「第3回あかり展」の取材をさせて頂いたばかり。
今回も取材ということで2人分、無料で体験させて頂きました。
ありがとうございます!

板谷さんも、お店に一歩入った途端、「綺麗~!」とうっとりされてました。
5日に来た時は無かった、サンタさんが登場してました。
「サンタだから、3体あるの」と笑う講師の倉部信之さん。
もう1体は写真撮りそびれました。行ったら、是非探してみて下さいね。

こちら、できたてのほやほやの新作だそうです!
眩しい夕日のような赤色。エンドレスに眺めていたくなります。

さてさて、倉部さんがお茶をいれてくださいました。
「サンドブラスト技法の彫刻ガラス体験教室」
はじまりはじまりで~す☆

今回、星型のプレートが用意されていました。
お星さま、大好きなので、嬉しいです~♪
写真のように、絵柄の中を彫るか外を彫るかで
こんなにも出来上がり方が違うんですね。素敵ですよ~。

---- 1、下絵のトレース ----

まず、星型のプレートに、絵を写すために、一番最初に、
シールになってる紙に、絵を書き写すことからはじめます。

倉部さんから、ご用意頂いてる、お花の絵(随分、難しそうですが・・・)を、
間にカーボン紙を挟んで、上の部分だけ、セロテープで固定。
これは、ちゃんと書き写せてるか確認しやすくするためです。

倉部さんから、「できるだけ太く写してくださいね」
「ラインごとに区切らないで、なるべく流れるように一気に写してください」
と言われました。
この書き写す時間はとっても楽しかったですよ!
一定の力をこめて、黙々と、ひたすら鉛筆で描きなぞってゆく。
お店には音楽が流れていて、たまに小鳥のさえずりが聞こえて。
こういうのって楽しいね~♪と、板谷さんと有意義な時間を満喫。

できました!ここからが、山場です。

----2、 下絵のマスキング ----

絵を描き写したこの紙は、中に特殊なのりがついていて、
はがしやすくなっています。

この絵柄を、プレートにどう載せるかを、あたりをつけます。
どんな角度にしようかイメージを膨らませます。

「星型のお皿に、このシールを貼るのは、貼りにくいですね?
 テクニックを使いましょう。おおよそのところで、好きなところ、
 お尻を設定して、中心から空気を抜くように、全体的に貼り付けていきます。
 はしの部分は、少し折りながら、絵柄に沿って、貼ります。
 空気が入らないように、切り込みなどもいれていきます」

えー、倉部さん、さらっとお話しされながら、みるみるうちに
くきっくきっと折って切って、くっついていきました。
倉部さんの手指は魔法みたいです。そうなるのが自然のようです。
いとも簡単に違和感無くされたので、凄~く、お茶の子さいさいに
できそうに見えるのですが・・・。ちてなのは、お手本に全部、
倉部さんにやって頂いたので、板谷さんはどうでしょう。

おっ。さっくり切りこみ。思い切りがいいですね。

おじょうず~☆

さすが、普段からフェルトやいろいろ創ってらっしゃるだけあって
カッターさばきも怖れがないですね。

板谷さん、なんなくクリア。お見事!

たぶん、ちてなはこの第一関門でこけそうだな~(><)

---- 3、カッティング ----

いよいよ、カッターで絵に沿って切ってゆきます。
切った部分は、シールを剥がすように、そっととってゆきます。
まずは、お花のがく、くきの部分から。

倉部さんは、大きな手なのに、すっすっとスムーズに切り込んでいきます。
カッターの刃が刃物ということを忘れてしまうほど、柔軟に流れる刃先。
息を飲んで、見惚れてしまいます。これ、わたしにできるのかしら・・・・。

「大きく太めに線の内側を切りましょう。
 背骨に沿って、常に細く残すように。
 どんどんやってみて下さい。
 人生と一緒でやりなおしがききますから。
 切り残しがあって太ければ、細くすればいい。
 切り過ぎてしまって細ければ、戻せばいい」

倉部さんは、切った絵のパーツを、ちゃんと残していました。
人生と一緒でやりなおしが聞く。思わず、笑みがこぼれ感動*

「カッターはたてない。押すのではなく、引きます。
 カッターを対象から離さない。離すとぎざぎざになってしまいます。
 一気に引きましょう。ナイフで絵を描くように」

光の下で、星型のお皿に吸い付いてるみたいに、
カッターの刃が流れて紙を切ってゆきます。
あまりに綺麗で、ずっと見ていたかったです。
しばしまったり眺めつつ、時に急ぎ写真を撮りながら、
でもこれを、自分がやるのよねとドキドキ・・・。
はい、第二関門です。案の定、普段カッターを使い慣れてないので、
がちがちに力が入ってしまい、刃先が進まない進まない!
あんなに、軽々とやっているように見えたのに、全然切れなかったです。
おっかな、びっくり、おそるおそる。
時に、びち!っと切りすぎて、ぎゃー!!ハラハラもしましたが、
たまにすんなり切れたときは、めちゃくちゃ嬉しかったです。
たぶん、カッターが手の一部になるくらい以心伝心で一体になることが
重要なポイントだと感じました。その次に、力の入れるところ、抜くところ、
止めどころですかね。具合と加減は人それぞれなので、
自分なりに感じて失敗して学んで習得していくしかなさそうです。
ちてなは、最後まで、カッターさまを動かすのに苦労しっぱなし。
あまりの、ちてなの危なっかしさに、倉部さんも

「普段、包丁使って料理しないの?」
「・・・しません」
「え?!しないの?!」
「はい。身内が用意してくれるので・・・(段々小声)」
笑って流して下さいましたが、自分で言っておきながら
小さい頃からのツケが今ここにきてるよーと苦笑い大汗です。

全国の赤ちゃん、小さなお子さんを育児中のお母様。
包丁とカッターは、小さい頃から積極的に一緒に使いましょう!
でないと、ちてなみたいなのが、増えてしまいます!
(って、ちてなが言うな☆と言われそうですが。しみじみ。。)

ちてなが悪戦苦闘してるころ、板谷さんは随分進んでました!
さすが、お上手ですね~!慌てて写真撮りました。終っちゃいそう*
途中、2人とも、1回刃先を変えました。
倉部さんが「あ~これじゃもう切れないね」と気づいて下さったのです。
特にわたしなどは、力の加減がわかってないので、
必要以上に刃に力をこめてたのかもしれません。
そういえば「刃だけで切ろうとしないで、全体で切るイメージで」
と言われてたのを思い出しました。

---- 4、テーピング ----

切り終わった後は、白いテープで、絵以外のガラス部分を隠していきます。
この次、ブラスト機で砂をあてていくので、その砂があたらないようにするためです。
はしなどは、テープを三角などに切って、隠していきます。

板谷さん、順調です。この作業は、配送・運搬等の梱包作業を
普段からやってる方には楽勝かも知れません。
ガムテープでびびび!っとぴっちり空気を入れずに
くっつけていくのに、なんだか似てるように感じました。

はい!ばっちりですね。最後に、いよいよブラスト機に投入です♪

---- 5、ブラスト加工 ----

倉部さんから、説明を受けます。
「この機械の中で、空気の力で砂をぶつけ、ガラスを彫り込んでいく。
 中をくりぬいて砂を埋めてゆきます。
 右手にピストルみたいな噴射機、左手にプレートを持ち、
 手のひらは真っ直ぐ、90度。寝かせない。等間隔に垂直にたてます。
 足元のペダルを自分で踏むと、砂が吹き付けられます。
 近づけていくと、熱くなります。絶対自分に向けないで下さい」

「まず5cmくらいに近づけ、めしべを狙います。
 1年玉くらいに、小さく丸く輪を描く、円を描くようにあてます。
 深く彫りたい所は、もう少し近づいて」

「次に、全体的に、同じ距離で柔らかく、そっとあててゆきます」

わたしも、板谷さんも、横から倉部さんに指示を頂きながらやったのですが、
「夢中」でございまして、当事者自身は、砂を吹き付けて、
どう変化していってるのか、よく区別がつかず、
これでいいのかな?と思いながら、言われるがままでした。
でも、この写真を見ると、確実に違いますね!

終ったら、テープをぐるぐるとってゆきます。2人して、わくわく☆

---- 6、 完成☆ ----

完成です~♪やった~♪正味、2時間半くらいだったでしょうか?

はい、板谷さんの作品です!きれいですね~*
力強く、存在感ありますね~!今咲いたよ♪って声が聞こえそうです。

はい、ちてなのです。ほっとんど、倉部さんに切って頂いたので、
線が細いのです。でもちてながやった部分は、ざっくりぱっくり、
かくかくぎくしゃく。はっはっは*お恥ずかしいです。
でもそこがまた面白くて。いい思い出になりました!

ちなみに、この2つを重ねると、入れ物にもなるんですね!
これには、2人して大感激でした*しかも、下にずっとひいていた、
青い布、一緒に包んでお持ち帰りしてくださいと言われました。
至れり尽くせりで嬉しいです~*ありがとうございます!

体験教室で実際作ってみて、大変さと難しさと楽しさが
少しわかったような気がします。おのずと、
作品を見るときの見方が最初の時と違ってきますねえ。

「お茶を飲みながら、ゆっくりやってください」
と言われましたが、無我夢中であっというまの時間でした。
板谷さんとも、いつか、お互いのオリジナルキャラクターで
なにか作りたいね~♪と大満足でした。

最後に、倉部さんから、
「今回使ったこの花は、『れんぎょう』という花です。
 細い枝に、小さくて、いっぱい咲いているのですが、
 その中から、この一部分を、デザインとして使いました」

早春に咲く、黄色のお花だそうです。気がつかずに
普段目にしていそうです。花言葉は「希望」「集中力」。
まさに・・・この体験教室レポートにふさわしかったのですね!

板谷さんと一緒に、貴重な体験ができて、
とっても楽しくて、有意義で嬉しい1日になりました。

ガラスアート堅香子の倉部信之さん、
このたびは、どうもありがとうございました!!

●ガラスアート堅香子さんの「あかり展」の取材レポート
http://report.2525.net/2007/11/post_260c.html

●イラストレーター 板谷雪枝さんのサイト
わんたくんのアトリエ

2007年11月16日 (金)

ガラスアート堅香子さん「あかり展」に行ってきました

2007年11月5日(月)、世田谷のガラスアート堅香子さん
で開催された第三回「あかり展」に行ってきました。

ガラス…箱根で美術館で見たことがあります。また、観光に行ったときに
お土産で有名な「切子」は見たことがあります。その程度しか知りません。

しかも、ガラスアート堅香子(かたかご)さんは、
「サンドブラスト技法の彫刻ガラス専門店」だそうです。
サンドブラストってなんだろう?わくわくドキドキ!

思えば、クラフト縁にご登録頂いている、教室さまを取材させて頂くのは、
今回が初めてなんです!俄然やる気が沸いてきました☆
それでは、いざ、出発です♪東急大井町線等々力駅を降りて、
ゴルフ橋を渡って数分。住宅街の中に、ガラスアート堅香子さんはありました。

一歩中に入ると、広くて綺麗で、心地よい音楽が流れていて
ガラスのランプや器や食器やいろんなものが、きらきら!
「うわああ~っ♪」おのぼりさん、うっとりため息です*

このあと、興奮しながら店内を撮影し、素敵なカップでお茶を頂きながら、
ガラスアート堅香子の倉部信之さんに、まったりとお話を伺ってきました。

「私は、秋田出身なんですが、
 北前船(きたまえせん)って知ってる?江戸時代の流通の歴史だよ。
 簡単に言うと、船で北の物資を南に送る。
 船の底に荷物を入れておくと沈まないから、焼き物や銀細工、
 陶器を入れて、関西地方、瀬戸内海を回って、秋田に来る。
 そして、北海道の松前に行って、アイヌの人たちが作った、
 にしんや干物などと交換されてゆく。
 秋田にいながらにして、小さい頃から、南の九谷焼、古伊万里など
 いいものが回りにあって見てきた。
 自分のルーツはここにあるんじゃないかと思っています」

なにやら冒頭から日本の歴史が飛び出しました。
必死にお話しをメモします。

「社会人になって、仕事を通して、
 人間国宝と言われるような方々と出会い、
 歴史や伝統の深さを学び、勉強させてもらいました。
 その中で自然と、若い作家さんの、
 これから伸びる力というものに魅かれるようになったんです。
 仕事を辞めた後、焼き物、竹細工などを作るようになって、
 ガラスの世界に足を踏み入れました」

「ガラスというと、切子を思い浮かべる人が多いと思う。
 切子はカットグラス。ガラスに、手を加える技法のこと。
 バカラもそうですし、チェコはカットグラスが多いです。
 もうひとつは、ヴェネツィアン・グラスなどの、
 火を使う、吹きガラス。蜻蛉玉もそうです。
 では、サンドブラストというのは、なにかというと…」

「戦後、アメリカから渡ってきた技法なんです。
 サンドブラストは1870年アメリカ生まれです。
 1900年代というのは、
 特にヨーロッパで世界のガラスは最高峰の時代でした。
 そんな中、アメリカは、戦争に使う大砲や戦車、
 軍艦などを磨く為の技法として生み出したんです。

 戦艦は鉄板でできてますから、腐食して錆びます。
 この錆をとるために、表面に砂などの研磨材を吹き付けるんです」

「この技法が、日本に入ってくるのは、
 戦後、マッカーサーが来て、随分落ち着いてから、
 日本が安定してからです。今、戦後65年ですね。
 アメリカから技術が流れてきて、まだ40年なんです。
 主に、工業系の工場で作業工程として使われています。
 身近にあるものだと、墓石。ウォーターブラストという水のホースで
 水の圧力で削っていきます。削った文字の底が丸いのが特徴です。
 ぎざぎざしていれば、職人さんが彫ったものということになります。
 大きなデパートや建物のパーテーションなどにも使われています。
 私達が気がつかないだけで、サンドブラスト技法は、
 日本に広く用いられているんです」

「日本は、金型を作る技術が世界一なんです。知ってましたか?
 携帯電話の型を作るときにも使います。
 その金型を作る、金型のおおもとをつくる過程で、耳を取るときに、
 サンドブラスト技法は使われているんですよ。おもしろいでしょう?」

私たちの生活に、いつのまにか必要不可欠になっているサンドブラスト。
この技法が、ガラス工芸として使われるようになったのも最近。
ほんとに、まだまだ、これから注目されるべき世界なんですね。


 
「切子というのは、380年の歴史がある、伝統あるものです。
 ところが、サンドブラストは、日本に来てまだ40年あまり。
 誰でも挑戦できるし、誰でもやめることができます。
 私は、サンドブラストをはじめて16年。お店を出して8年目になります。
 家元などもあるわけではない、まだまだ固まっていない世界なんです」

子供の頃は、北前船で、大人になってからは、仕事場で、
「伝統と歴史あるいいもの」を見続けてきた倉部さんが、
まだ生まれて間もないサンドブラストに着目し、お店を開き、
教室で生徒さんに教え、これから花開くであろう若い新しい人材を
育んでいるということ、お話しを伺っていて、点と線で繋がってきました。

「サンドブラスト技法は、ガラスに向って、
 研磨剤(鉄の粉)を勢いよく空気で飛ばす。
 これは顕微鏡で見ると、金平糖みたいなんですがね。
 研磨剤を吹き付けることで、ガラスが削れてゆくんです。

 ガラスを削ると、色が何層にもなります。
 (切子は切ると透明になりますね)
 ガラスの上に被せる、着せる、色着せガラスともいいます。
 素材は同じ、厚みは一定ですから、彫りこめば彫りこむほど
 コントラストができます。彫り下げ方で、一枚の絵のように
 濃淡を魅せることができるのです。
 この彫る順番を間違えると大変です。奥のものが手前になってしまったり。
 初めての方は、そこで苦労するようです。
 彫り方は一人一人違うので、同じデザインでも違うものに仕上がります。
 そのため、大量生産ができないんです」

「回りから、評価してもらえることのありがたさを感じます。
 評価されないと、収入がありませんし、
 なにより見てもらう、知ってもらう、評価してもらうことで
 勉強になり、成長にもなります。
 サンドブラストを知っている人もいる。知らない人もいる。
 世田谷という住宅街でお店を出していると、
 新しい物への感度、アンテナが研ぎ澄まされて、
 レベルの高い方も沢山おいでになりますので、日々、刺激を受けます。
 完成させてゆく中で自分がどこを抽出してアートにするか。
 あぐらをかかないことですね。いつも思うのは、
 10年後の自分から見て、今の自分がどうか、です」

「貧乏を代償にして、自由を得る、といいます。
 評価してもらいたい。
 買ってもらいたい。
 生活もしたい。
 苦しんで挫折して途中で辞める方がいます。
 私は、そんな人には、もうちょっと頑張ってみては、と言いたい。

 競争で負けたからと言って負けないで、辞めないで。
 捨てないでほしい。勿体無い、譲れないものです」

この言葉は、サンドブラストに限ったことではなく
どんなことにもあてはまりますね。
なにが勿体無いのか、譲れないのか。
時間、労力、それだけではありません。気持ちと、
培ってきた、身に付いたもの、ひとつひとつです。

アート・クラフト(創作活動)と生活をするということの2つは
切っても切れない、難しい問題です。
人それぞれに、生き方・考え方があります。
でも、倉部さんからお話しいただいた、

『10年後の自分から見て、今の自分がどうか』

この意識のありかたというのは、気がつきませんでした。
目の前の事で悩んで苦しい時、この意識で自分の気持ちに
正直に向き合えたら、自然と導き出せるかもしれません。

「私は、出し惜しみする人は、どうなのかなと思います。
 これは、教えたくないという人です。
 自分の持ってる技術や知識を持ち寄って教えることは
 とても大事なことだと思うのです。
 
 真似されたくない人は多いようですが、
 教えれば、真似されて、当然です。
 追い越されたくない人も多いようですが、
 追い越されてしまったら、自分の空いてしまった余白をうめるよう、
 自分ももっと勉強すればよいのです」

このお話を聞いて、はっとしました。
昔、占い師さんに言われた事を思い出したのです。

『あなたは、いろんな人からたくさんのものをもらっている。
 あなたに、どんどん集まってくる。
 あなたはそれをうまく外に出す事ができない人だから、
 ひとりで詰まって苦しんでしまう。
 でもそこを、循環させる、もらったものを、皆に与える、
 自分ひとり大事に抱えているんじゃなくて、
 もっとたくさんの人に与える時がきたんですよ』

こう言われたときは、漠然と、どうしたらいいのか
今でも、実際問題、できているのか、わからないのですが、
でもその通りだと思いましたし、凄く希望の光を感じました。

わたしは、わたしなりに、もっと勉強して、人として高めながら、
自分の出来る方法で人の役に立つこと、
喜んでもらえることを、コツコツやっていこう。
倉部さんのお話を聞いて、またひとつよみがえった気がしました。

「サンドブラストは、歴史が浅いぶん、
 皆が上がっていけば、レベルもどんどん上がります。
 サンドブラストのネットワークを大事にして、発展させていきたいです」

倉部さんのお話では、サンドブラスト技法で作った作品を並べて
販売しているお店は、あまり無いそうです。

サンドブラストは広く世間に知られていないので、
どうしても価格相場が安く、そのうえ同じものが作れず、
時間がかかってしまうので、作る方が増えないのだそうです。

「サンドブラストは、大量生産できない、
 ひとつひとつ時間をかけて手作りするものです。
 このサンドブラストを、知ってもらう、たやさないこと。
 同じものを何十個作るのではなく、
 どうすれば、奥ゆきが出せるようになるか。
 新しい表現方法を常に勉強しています。

 ガラスアート堅香子では、サンドブラスト教室を開講。
 随時、生徒さんを募集中です。
 等々力渓谷と静かな住宅街の中で、
 落ち着いた雰囲気でお稽古できます。
 美しい言葉で皆様にお伝えさせて頂きますので、
 どうぞ、優雅なお気持でいらしてください」

わたしは、今回、初めて、サンドブラスト技法というのを知りました。
ガラスとひとくちにいってもいろいろあって、その中で、
倉部さんがサンドブラストを選んで勉強し、切磋琢磨し、
制作に励み、皆さんにお伝えしたり、おススメしているのが、
このガラスアート堅香子さんです。

少しでも興味を持たれた方、是非、実際に見にいらしてください。
そして、ガラスに施された、立体的な生きた模様を、お楽しみ下さい。
倉部さん、どうもありがとうございました。

●このあと、体験教室も参加してきました!続きはこちら♪
http://report.2525.net/2007/11/post_14ec_1.html

~番外編~
ガラスアート堅香子さんには、素敵な作品がたくさんあって
うっとりが尽きません!なんとなく空気も綺麗で浄化作用が
あるんじゃないかと思うほど、居心地のいい空間なんです。
そんな店内で、ちてなが、とっても気に入った作品の写真を
ご紹介させていただきます。実物はもっと綺麗ですよ!

これはね~かなり落ち着きますよね。色が好きです。

この黄色と黄緑色の具合、お花柄と丸いかさ!たまりません*

赤色でも、濃い色(紅色)もあって、黒に近い赤もあって。
丸いお皿で、下にかかってる部分の葉が白いのが素敵です。

背の高い花瓶。お花の柄が綺麗でかっこいい。流れるような、
風が下から上へ吹いているような感じが好きです。

しぶい!紫色の花柄と葉っぱの柄。使えな~い*

真っ赤な花柄のお皿(?)と、首の長い花瓶。
このしゅっとした形の花瓶って好きです。

高級家具屋さんとか、住宅展示場にありそうですよね!
青いお花柄と葉っぱ柄。高貴な感じが好きです~♪

なんか、いっきに脱力したような、見てて、ほっとします。
これなら、お家で、梅酒とか飲めるかな?

これも赤ですね。自分の生活の中で、赤い食器ってありません。
でも、これは見ていると、手を入れて指でなぞりたくなります。
なんか、引き寄せられるものを感じます。

一番、可愛い☆と思いました。ピンクですよ~♪
はじめてみました。ほのかに甘い、やさしいピンク色です。

このどれも全部、お作りになったいってんものかと思うと、
凄いですね!うっとりと目の保養たっぷりしてきちゃいました。
ガラスアート堅香子の倉部さん、どうもありがとうございました!

2007年11月 9日 (金)

猫の額 己夢さん個展「ネコノタネ」 

10月24日、高円寺の猫の額さんで開催された、
己夢さんの個展「ネコノタネ」に行ってきました。
己夢さんは、昨年の暮れぐらいに猫の額さんで初めて知り、
展示販売してある、ポストカードや原画に魅かれて、
是非、個展の時は、取材したいと、ずっと思っていました。
行った時は、最終日。2年ぶりの個展だそうです。
己夢さんにもお会いできて、うっとりと、楽しい時間を過ごしてきました。

さて、己夢さんといえば、切り絵と、立体作品を創られています。
どちらが先だったのでしょうか?

「粘土で立体作品を作ったのは、2000年で、
 切り絵は2002年からです。
 動物雑誌の出版社に勤めていて、雑誌のイラストを描いたり、
 雑誌の小物を作ったりしていたんです。
 粘土でハムスターを作ったりしているうちに楽しくなって、
 大好きな猫をモチーフに作ろうと思いました」

「最初に考えたのは、自分のキャラクターを作りたいということ。
 猫の作品は多いし、猫作家さんもたくさんいます。
 他の作家さんとの区別ができて、お客様から見て、
 一目で、わたしの作品だとわかるようなものを。

 まず、いいなと思った猫のスケッチをどんどんしていきしました。
 そのうち、家で飼ってる猫を描いてて、おでこにMの字みたいな
 柄があったことに気がつき、それを描くのに、ぐるぐるっと
 うずまきのように描いてみたんです。あっ、これはと思いました」

確かに、己夢さんの猫ちゃんは、
顔や身体に、なるとみたいなくるっとしたマークが入っています。
とても特徴的で、わたしも、そこに魅かれたのです。

「最初って、自分で描いていても、どうしてもマネから入るんです。
 それでもいいんですが、いつかつまずいた時に、
 自分のオリジナルを作らないといけないという、壁にぶつかるんです。
 自分の作品を見てもらいたい、気に入ってもらって、
 連れて帰ってもらうためには、私の作品だと、わかってもらえるための
 ワンポイントが、とても重要だと思ったんです」

この話を聞いて、さすがだなあと思いました。
雑誌や出版に携わる、イラストやデザインのお仕事をされていると、
最初から、そういう観点で物事を考えられるんでしょうか。
わたしなどは、全然そんなこと考えた事も無かったです。
でもそういえば、出版・編集の仕事をしていたオーナーに、
きゃらくた~を描いてるときに、
これだと、どっかにありそうだよねと却下されることがありました。
もっと、なんだかよくわからないような、ちてならしいものがいいと
言われた事がありました。通ずるものですかね?

「キャラクターができて、立体を2年やっていくと、
 平面も作りたくなったんです。でも色鉛筆やアクリル画は
 やってる方が多いし、難しい。どうしようかと思ったとき、
 自分が中学時代、切り絵クラブに入っていたのを思い出し、
 それでやってみよう!と思ったんです。
 切り絵のいいところは、絵の具を乾かす時間がいらないこと。
 絵の具だと、修正するのに、乾くのを待ってからですから、
 時間がかかる。待ってる時間がダメなんです。
 その点、切り絵は、自分のペースでできますからね」

切り絵クラブに入っていたとは、驚きです。
切り絵だと自分のペースでできるというのを聞いて、
いろんな価値感の方がいるんだなあと、ほんと思います。

「切り絵は、簡単に説明するとベースになる下絵を描きます。
 トレーシングペーパーを重ねていって、色やデザインの重なり具合を
 合わせながら、バランスをとっていきます」

理数系が苦手で、立体的なことが苦手なちてな。
聞いてるだけでは、よくわかりません。

「まず、自分の描きたい大きさと作品の雰囲気をイメージします。
 次に額を選んで、下絵に入ります。
 猫を主体としてモチーフ、季節やシーンをあてはめていきます。
 だんだん、頭の中でイメージがわいていって、
 切ってるときが一番楽しいです。
 いつか、細長い円形の額とか、特注の額で作ってみたいです」

左の「輪」という作品は、額がとても立派で目が行ってしまいました。

「これは、額が先にあってイメージして作りました。曼荼羅ですね。
 蜘蛛や、金魚、鳥、蝶など、自分の身近にある生きものを描いています。
 今回の個展は『ネコノタネ』ということで、
 おおもとの命というものをイメージして作品を作りました」

命の輪廻。命と時間は切っても切れない関係です。
繊細でいて、静かな迫力があって、いつまでも魅かれてしまいます。

右隣は「ゆう」。そよいだ風に撫でられて、
なんだか、こっくり転寝してそうな猫ちゃんです。
ひらがなで「ゆう」という題名ですが、意味はあるんですか?

「夕方の『ゆう』とか、『悠々と』、『悠然』などの、『ゆう』です」
左上が夕陽の金色でしょうか。優雅な『ゆう』もあるかも?

この切り絵に使う和紙も、己夢さんがその都度、
手漉きの和紙を染めるのだそうです。

「私の場合、気に入った色の和紙が見つからないと、
 自分で染めてしまいます。
 自分で染めればボカシ具合も好きなようにできますし。
 手漉きの和紙は機械漉きよりも厚く、繊維も長くて丈夫です。
 洋紙の方が切りやすいですが、和紙の方が表面のざらつき感と
 暖かみが感じられるので好んで使っています」

そこまで、しっかり性質を見て、
自分の作品に合う、合わないを見極めているんですね。
わたしなんて、和紙と聞いただけでも、いいんじゃないかと思うのに
市販か手作りかで、どう違うのかなんて、考えた事もありませんでした。
和紙に自分で色をつけていくんですものね。
作品にあわせて、紙の色から作っていく。さすがですね。

さて、ここまでご説明いただいても、
どうも切り絵の構造がよくわからない、ちてな。
紙1枚に絵を描いて、どこを黒く残すかを決めて、
切るトコを切って・・・なんだか頭がこんがらがってきました。
すると、己夢さん、一枚の絵を実際に額から出してくださいました。

「下絵のときに、この色の紙がいいなと決めて、染めて切ります。
 これが一番下で、上にこうなって、さらに上がこれで・・」
と、目の前で、ぴらぴらと重なっていきます。
とっても繊細で吹けば飛びそうな美しさ。
えええ~!!こんな構造になってるんだ~!
っていうか、こんなの見せて頂いちゃってすみません!
ご丁寧にご親切に、ありがとうございます!
わたしは、つくづく、果報者です(涙)
皆様にお見せできず、ごめんなさい☆

ではでは、素敵な作品の数々をご紹介していきますね。

「紅葉はらはら」
背中に存在感がありますね。廊下と障子と舞い散る紅葉。
しっとりと、静かに流れております。

「風」
まさに、秋の枯葉と金色のすすきが風になびいて、
猫ちゃんの横顔がりりしいです。
耳と頬部分がうっすらピンクなのが、可愛いです。

「猪鹿蝶」
こういうのも、結構好きですよ♪
よく見ると、猫。さりげなく猫がいるのがいいです。

「花札は、遊ばないんですけど、絵を見るのが好きです。
 タロットカードを作りたいですね」と己夢さん。
是非、作ってください~☆とっても素敵なんじゃないでしょうか!

「くつろぎ」
ちょっと見づらくてごめんなさい。透明の長方形の額。
こういう見せ方もあるんだなあ~と感心します。お洒落ですよねえ♪
緩やかな腰のライン。撫でたくなります♪品がある猫ちゃんです。

万歳!している猫ちゃんたち。上からとってみました。
なんか、にくめない可愛い顔ですよね*
上から見ているせいか、「抱っこして~♪」にも見えます*

「ともだち」
よく見ると、目の部分が黄色になってて立体的です。
そういう細かいことに気がついたら、なんだか
とっても気になってしまい、目が離せなくなってしまいました。

「花」と「よつば」
この2つは、手前のお花と、背景の柄がとっても可愛くて好きです。
ある提案をしたら、「それいいかも」と己夢さんに言われたので、
嬉しいです。是非いつかそんなものができたらいいなあ♪

「月」
青い猫と三日月という、わたしが大好きなたまらないシチュエーション。
しん、とした深い静かな時間を感じます。

「シーンと静まり返った空気を表現したかったんです。
 どの作品も、自分のインスピレーション、雰囲気に合うように仕上げました」

「みどりのベッド」
こちらは個展のDMにもなった絵。緑、黄色のお花のふかふかの、
いい香りがする、ベッドにうずもれる猫ちゃん。
お目目がオレンジ色なのが、とってもいいですねえ。

「夜明け前に」
夜が、しらじらと開ける朝を迎えるべく、
目に見えない大きな力で動いているような感じがします。
木と植物が静かに天に向って伸びようとしています。
生まれるイメージでしょうか。
伸びる植物とまるで炎のような仰ぐ木の枝。
神聖な感じがしますね。思わず、息を止めそうになります。

「秘密の場所だよ」
三日月が静かに、見守っているのかな。
2匹の猫ちゃんの頬がうっすらピンクです。
青い夜に小鳥が見張りをして、草花がありたけ伸びて隠してくれます。
真ん中で折って閉じたら、ぴったりくっついて隠れてしまうような。
草花の丸い、流れるようなツルや、
しずくのような夜露のような、丸い柄が、とても魅かれます。
己夢さんの切り絵に出てくる、こういう、
丸いくるんとした、つるみたいなのが好きです。

「曲線は動きがありますよね。止まらない。
 いつでも、そこから動き出しそうで、あたたかみがありますよね」

そうか、なるほど~。なんだか、嬉しくなってきました。

「花のかおり」
風に吹かれて、いい香りがしているのが伝わります。この作品、好きです~♪

「止まってるんじゃなくて、流れをイメージしています。
 風の流れ、その場の雰囲気が感じられるよう、流れというのを意識しています」
と己夢さん。
みなさんのところも、香ってきますか?

今回の個展で、わたしが一番気に入ったのは、こちら。
「蝶と舞う」白猫ちゃんが蝶と遊ぼうとしてますの。
戯れようとしてますの。この手で掴もうとしてる体勢、角度がたまりません!
手前にある、ピンクのお花もまたとっても可愛くて☆
猫ちゃんの肉球と、頬がピンク色なんです。
可愛い~~~!!!またお目目が青いんです、ここも素敵!

「青い目が好きなんです。
『みどりのベッド』では、オレンジ色でしたけど、
 白い猫だと、目は青くしちゃいます」

なるほど。もう、この切り絵はほんといいですね。
お花と植物の茎の部分のくるんくるんも素敵だし。
蝶がはためいているのも感じます。わたしも舞いたい~♪

「11月末に、藤沢の鵠沼画廊で、3人展をやるんです。
 私の父と、母と3人でです。毎年、6月、11月と年2回開催しています」

親子で展示会なんて素敵ですね~☆
音楽一家が家族揃って演奏会!みたいですね*

「父は彫金、シルバーアクセサリーで、母は服飾。
 きれをとって、デザインして、縫っていくという作業を見ていると、
 ものを作る楽しみをくれるものなんだなと思いますね」

己夢さんは、切り絵で、和紙の色を染める所から、
デザインしたテーマで切り絵を作っていく
(浮き彫りにしていくという感じが、わたしはしました)
己夢さんのお母さんは、布を用意して、切って縫い合わせて形にしていく。
方法や出来上がった物は違うけれど、
同じなんだなと、思いました。さすが親子ですね!

「猫の額さんは、OPENする前に、
 たまごの工房さんのTシャツ展に参加していたときに、
 木村さんが見て下さったのがきっかけで、置かせて頂くことになりました。
 それまでは、年2回、デパートの手作り作品展に出していたんです。
 今回も2年ぶりの個展でしたが、また再来年、個展を開催する予定です。
 この猫の額さんの展示スペースが調度良いです」

にっこりと満足そうな表情をされた己夢さん。
次は再来年なんですね~♪と、はしゃぐと、
「疲れていると、いいものが作れないんですよね」

会話のはしはしに、自分のペースを大事にする、頑張り過ぎない、
無理しない、肩の力を抜いて、流れるままに、止まらず流れていこう、
そんなお考えが伝わってきました。そこには、固執しない、とらわれない、
受け入れるという、強さもあると思いました。

己夢さんの個展を見て思ったのは、森羅万象。
生まれて死ぬまでの間に、命という命は、常に流れ進んでゆく。
全く同じに見える風景も、いつも少し違う。
己夢さんの切り絵をみていると、
心の中にある羅針盤が、カチッと一瞬呼応する時があります。
そして次の瞬間には流れていくのです。
己夢さんの切り絵を見ていて、いつまでもあきない、
ずっと見ていたいと思えるのは、その呼応する時間が
あまりにも心地よくて、かけがえがないからだと思うのです。

太陽は沈むのを知っている。月は欠けるのをためらわない。
やがて昇り、やがて満ち、夜はさらりと明け、1日がはじまります。
植物は芽吹き、咲き、枯れていきますが、土に戻る時、振り返りません。
虫も魚も蝶も鳥も、生きるために生まれて、命が終る時は
ぜんぶを受け止めて、この世とお別れをするのみです。
そこに悔いや恨みや憂いはありません。
みな、命は、生かされるまま、生きている環境の中で
大きな潮の中で、生きるまま、生きている。
その中に、勿論、わたしたちがいるのです。

命という大きな流れの中にいる、人間。
人の最大の特徴は、各々ひとりひとりが、
かけがえのないもが違うということだと思います。
全く同じという人は、いないことでしょう。
そこが人の面白さであり、醍醐味であり、生きる意味だと思います。

わたしが2年ぶりの、己夢さんの個展を、
このタイミングで観賞することができたように、
皆さんにも、いつどこでなにとすれ違うかもしれない、
幾千の出会いがあることでしょう。そこでなにをどう感じるかは、
すべて、その人が何を大切にしているかによって
違ってくるということだと思います。

わたしは、己夢さんの個展を見て、頭の上のアンテナが
少し伸びたような嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

「とどまる。今の現状に満足することは考えられない。
 粘土作品でも、作ってる方はたくさんいます。
 同じように作ろうと人真似しても、同じようには作れないんです。
 回りにあわせようと頑張るのではなく、
 常に新しいものを吸収していく、
 流れに任せて、自然に流れていくこと。
 心の中の時間の流れを、作品に出していきたいです」

心の中の時間の流れを、出したい。なんて、素敵なお言葉でしょう。

繊細な中にも、存在の時間とぬくもりや温度が伝わってくる立体感。
美しい技術を使って見せて下さっている、己夢さんの世界。
ほんとに、己夢さんの個展に来て、よかった。
作品を実際に見ることができて、よかった。

己夢さん、素敵な時間を過ごすことができて、
とっても嬉しくて、楽しかったです。どうもありがとうございました☆

●己夢さん「猫瞳幻灯」
http://lapis.plala.jp/~kim/

●猫雑貨&猫ギャラリー 猫の額
http://www6.speednet.ne.jp/~nekojarasi/
〒166-0003  東京都杉並区高円寺3-20-11 1階
TEL&FAX:03-3317-3115  OPEN:am12:00~pm8:00 木曜定休
ACCESS:丸の内線新高円寺駅より徒歩2分/JR高円寺駅南口より徒歩9分
詳しい地図はこちら


◆実は、この日、とびきり素敵な最高なお買い物をしてしまいました♪
ちてなコレクションに載せてますので、こちらもどうぞ♪↓

2007年11月 1日 (木)

【杜の奏】木香家さんで、はしもとちえさん&長澤政輝さんポストカード展示

はしもとちえさんと、長澤政輝さんのポストカードを、
板橋の手作り注文家具・木香家さんで、展示販売しています!

お出掛けの際は、必ず電話で、営業のご確認をお願いいたします。

木香家  東京都板橋区常盤台1-41-7  http://www.mokkouya.jp/
電話 03-3965-2433  東武東上線ときわ台駅北口徒歩7分

小さな額に入れたものも数点飾ってあります。

奥のギャラリースペースに行くと・・・。

長澤さんのポストカードを額に入れたものです。

こんなところに、み~つけた*

お茶を頂いて、ひと息付くと、このポストカードブックに目が行きます。

外には、こんな看板も。こちらが出ていたら、営業中です♪


■作品展示会/杜の奏 TOPページに戻る■

ギャルリー・ジュイエ 高山美海さん個展「Ultima Exhibition」

10月23日、高円寺のギャルリー・ジュイエさんで開催された、
高山美海さんの個展「Ultima Exhibition」に行ってきました。
ギャルリー・ジュイエさんにお伺いするのは、6月の
「タカハシカオリ個展01 コウエンジアニマルストリート」
の取材の時以来です。

高山美海さんは、初めて知った作家さんで、
個展DMを見て、ひとめで気に入り、絶対行きたいと思い、
最終日に滑り込んできましたが、高山さんご本人様、
ギャルリー・ジュイエの福田さんともお会いできて、楽しい1日になりました!

今回、油絵の個展です。一部、イラストもありましたが、
ここまで抽象的な油絵の揃った個展というのも久しぶりで、
最近、いろいろと展示会を見てきましたが、少し疲れていて、
ゆっくり溶け込みたいという気持ちがありました。

入ってすぐに広がる目の前の光景に、もうただただ、「うぇるかむ(自分が)」状態。
そのあとは、もう、何度見ても何処から見ても、見れば見るほど、
好きな部分が増えて行って、細かなポイントにたまらなくなったり。
あっち眺め、こっちで眺め、あちこちくるくる。途中、お茶なども頂き、
まったりのんびりと鑑賞させて頂きました。帰るのが惜しかったです~*

高山美海さんは、アトリエパンセという教室に通っていました。
子供たち、みんなで工作したり絵を描いたりします。
行くと、毎回、何をするか、課題を決められます。
その課題が終ると、子供たち皆で遊んでいたそうです。

油絵をはじめたのは、中学生の時からで、教室では
「好きに描かせてくれました」。そして、16歳の時に教室の先生から
個展をやってみたら、と言われ、16歳で初個展を開かれたそうです。

イラストは、中学生からはじめ、うまくなりたい、勉強したいという思いから、
東京アニメーター学院のイラストレーション科に入学。現在も勉強中です。

「油絵は、自由に描いてきました。
 でも油絵でご飯を食べることは考えられなかったんです。
 イラストレーションを勉強するほうが、雑誌や本や絵本など、
 仕事の幅が増えると思い学校に入りました。

 でも、勉強しているうちに、イラストも、自由に描きたいと思うようになりました。
 昔から、今現在も、これからも、ずっと愛され続ける絵や、画家の方というのは、
 うまい、下手じゃなくて、良いとか悪いとかではなくて、伝わるものがある。
 人を動かすものがあると思うんです」

「イラストを商業的に考えていましたが、油絵を描いていて、気がついたんです。
 時代にあわせた、その場限りの、今、流行るイラストではなく、
 自分にとって好きな絵を描きたい、描けるようになりたい、
 時代に流されるべきじゃないんだなと」

油絵を好きに描いてきた、心で描いてきた高山さんが、
イラストの描き方、技術を学びに行った学校で、技術だけではなく、
自分にとって、どんなイラストを描く人になりたいかに辿り着いたことは、
嬉しい発見だと思います。技術の上手な人はたくさんいますが、
自分のことなのに受け身な人も多いです。
「とりあえず、お金が欲しいから、こうする」ではなく、
「自分はこうだから、こうするんだ」という気持ちって
人から言われるものでも教わるものでもありません。
自分で気がつかなくては、なにもはじまりませんよね。

「油絵は、キャンバスの中に自分が入って、集中して描きます。
 キャンバスの中に世界ができたとき、描き終わった時は
 物凄い疲労困憊で、血圧も低下し、酸素不足に陥ってます。
 そのくらい、気力、体力、精神力、全力を注いで描きます。
 普段、絵には題名はつけていないのですが、
 個展の時は題名をつけなければなりませんので、
 お母さんと一緒に話し合ってつけています。」

これは、わたしも似たような経験があるので、想像できます。
わたしは、文章や詩でしたけど、「入る」という感覚、わかります。
いま、この、取材レポートも、ある意味「注いでいる状態」なので、
書いてるときは、かなり自分を追い込み、削っていますから
書き終わると、1日2日体力回復にかかります。
だから、あ~同じなんだ~と、ちょっと嬉しかったです。

それにしても、お母さんと話し合って題名をつけるというのは意外でした。

「お母さんと、この絵はこうだよねと、いろいろ話し合うことで、
 他人の絵に名前を付けるように、客観的になれて適切な名前がつけられます。
 可愛いから、この子はなんにしようかと、自分の絵なんだけど
 自分の絵じゃないような、名前をつけるのは楽しいです」

自分の作品を、客観的に見る。言葉では簡単ですが、
この「客観的に見る」というのは、意識しないとなかなかできません。
すぐにできるものでもないし、すぐ忘れてしまうものです。
自分にはついつい甘くなりがちですし、
見たくないこと、聞きたくないこと、言いたくないこと、
幾らでも自分に都合よくできますが、
自分が生み出したものを、一歩引いて見ることができる、
受け入れることができるというのは、大事なことですよね。

「3年前の、16歳の時に開いた初個展は、
 今思い返すと、くどかったですね。
 自分の心を隠して、その上に乗せて乗せて、ぐちゃぐちゃでした」

まだ19歳の高山さんが、3年前の個展を振り返っています。

「自由な心、自由ではない心、心はいつも同じじゃなく、
 守るために、素直になれなくて、受け入れない、認めない、
 そんなふうに重ねていたんです。素直に乗せることができなかった」

これは、色とも取れますし、気持ちともとれます。
時に、自分の中で葛藤するときってありますよね。
自分はこうしたい、でもこうしないといけない、
どうしてわかってもらえないのか、自分はどうしたらいいのか。
16歳の時って、そういうものが渦巻く時期じゃないでしょうか。
もっと大人になりたい、でも子供のままでもいたい。
自分の気持ちと外の世界とのかかわりなど、
比べると途方も無く悲しくて、どうしたらいいかわからなくて
救いようが無くなってしまいます。こうじゃないと塗り重ねてしまうと、
最初の色さえも、見失ってしまうものです。

「どんなときでも、客観的に見るように心がけています。
 どうして今、自分は怒っているんだろう、
 今、嬉しいけれど、何に対して喜んでいるんだろう。
 例えば、ほめられて嬉しかったとしても、それは、
 ほめられたという行為が自己満足で嬉しかっただけなのか、
 自分が思っていることを、一緒に共有して喜んでもらえたことに
 心から嬉しいと思っているのか。
 自分の感情だけにならないようにしています」

それにしても、高山さんは、まだお若いのに、
ずいぶん立派な考え方だな、偉いなと思います。
わたしの18,9歳のときなんて、笑いたい時に笑い、泣きたい時に泣き、
他人のことなどお構いなしで愚痴や不平不満をこぼし、
回りを巻き込む、台風のようでした。勿論、友達からも同じように
毎晩呼び出されて語り合いました。長電話もしたし、文通もしました。

客観的なんて言葉、使ったこともありませんでした。
意識に無かった。でも、そんな「こっぱずかしかった頃」を経て、
恥ずかしい失敗や悔しい挫折を経験して、気がついたり
知ったり学んだりして、30歳代になりました。

30歳過ぎてからです。
自分の中で「許せない」「できない」「受け入れられない」「そんなの嫌だ」
ということも「許せて」「できて」「受け入れられ」て「別に嫌じゃない」
ことに気がついたのは。気持ち、考え方ひとつで、なんでもできて、
こんなに楽なんだ、だから、人のことも決め付けない。
自分のことも決め付けない。あるがまま、そのままを受け止める。
どんなことも、自分自身の否定肯定も全て受け入れられるからこそ、
客観的なのかなと。漠然とですけど。でもまだまだですが。

人は変えられませんが、自分を変えることはできます。それが先決なんですね。
一方的に否定や批難をするのではなく、いろんな立場や考え方の人がいる、
ということを受け入れ、感謝することを忘れていたことに気がつきました。

自分の欠点も、いいところも認めること。いいところを伸ばすこと。
他人の欠点を探すのではなく、いいところを探すこと。
「この人の、こんなところが好き♪」
回りや、相手のことを考え、できることをやっていくこと。
30歳過ぎてから、やっとここに辿りつきました。
高山さんのお話を伺っていて、こんなことがよみがえってくるとは・・・。

「見えなくなることが、こわいです。自分の心を守るために、
 受け入れないで、見ないことがあります。
 お母さんからいつも言われるのは、
 本物を見る目を持ちなさいということです。
 本人が、自分の人生で、これをやりたいんだと、
 何かを見つけたり、出会ったりすることが大事なんだと。
 イラストレーターとしてやっていこうが、
 アルバイトをするフリーターであろうが、回りがそれをダメだとか、
 違うと言ったり決めたりすることではない。
 『ほんもの』『ほんとう』って、なんだろうって、いつも思いますね」

お母様、さすがですね~。話の節々で、高山さんもお若いのに
すごく、しっかりしてるなあと思いましたけど、
彼女を育てている、お母様もそうなんですね。
やはり、だからなんだな~と大きく頷いてしまいました。

高山さんからでた「ほんもの」「ほんとう」という言葉。
ほんとうってなに?そういえば、わたしも昔はよく思っていたっけ。
ちょっと考えてみました。

「ほんもの」って、人それぞれ違うと思います。
よく「ほんものを知らない未熟者」という言葉もありますが、
その人の経験、生き方、価値感によって変ってくると思います。

わたしは「こんな美味しい餃子食べたことが無い」
と思っていたお店より美味しいお店を、今年2軒も知ってしまいました。
「ほんもの」はその人の気持ちや心がこもって積み重ねられた、
努力した結晶などがにじみでるもの。だから人の数だけ「ほんもの」があるし、
「これは、ほんものだ」と思う人の数だけあるのかもしれません。

ですから、誰かとわたしの中で違う「ほんもの」があっても
一向に構わないのです。

わたしが思う「ほんとう」は、存在自体かなと思います。
例えば、高山さんという存在。高山さんが描いた絵。
高山さんとお会いした日、一緒にお茶を飲んだ時間、
交わした会話、これを読んでいる皆さんや、皆さんの親御さん、
お子さん、お孫さん、皆さんの大切な人、大事な思い出。
過ごした時間、今、いる、空間。それらすべてが「ほんとう」だと思います。
「ほんとう」には、自分の中の気持ちも含まれます。
「あいつが許せない」「あの人にこういわれた、悲しい」
「嫌われたのかな、寂しい」「もっとこうしたい、自分が不甲斐ない」
これらも、ぜんぶ「ほんとう」です。ほんとうは、ありのままということです。
こんなこと思っちゃいけないよなと、我慢したり否定したり拒否して
消す必要は無いのです。自分の中の「ほんとう」に対して
どうしてそれが生まれてきたのか、どう思うのか、どうしていくのか、
受け止め方、解釈の仕方、表現方法は人それぞれ。
だから音楽や文学や美術があるんですね。

「油絵は、今現在、開いている気持ちを維持し続けるよう、
 イラストレーターのほうは、開きかけているものを、
 もっと開いて100%出せるようになりたいです」

まだ19歳という若さの高山美海さん。
これから、どんな経験をして、どんなことを思って、
どんな油絵を描き、どんなイラストを描くのか、とっても楽しみです!

どうぞ、急がないで下さい。でも、今を大切にして下さい。
山があって谷があります。雨の日も風の日もあります。
晴れた日は長閑さを、雪の日は、雪のはかなさを感じましょう。
太陽は自ら放つ光で輝き、月は照らされることで満ちたり欠けたりします。
いろんなことが待っています。そのすべてが、高山さんになります。
高山さんの身体になって血になって思いは絵になります。

高山さんという海の中で泳ぐ、さまざまな「ほんとう」を
どうか、これからも、わたしたちに見せて下さい。
高山さん、今日はどうもありがとうございました!


ここからは、長くなりますので、個別のわたしの感想です。

こちらは、緑と黄色が眩しい「芽ばえ」。

見えますか?この、ホットミルクを飲んだら、うにゃうにゃしたのが
表面にできて、こそっととろうとしたら、ゆばみたくなっちゃった、
という感じの、てかてかして、縮んでる部分。こういうの、たまらんです♪

「出会い」 オレンジ色で、ひび割れしたみたいで、下のほうが黄色です。
なんか・・・プリンケーキを焼いた時の、上のほろ苦い部分みたいです*

なんか、狂おしい感じがします。手で掴もうともがいてるみたいです。
したたりかたとか紫とピンクの色が。題名は、「恐れ」

この絵は、なんか好きです。芋虫が蛹になって蝶になるような、
動き出しそうな感じがします。題名「ひらく」

この、きらきらした部分と、ハート型部分、大好きなんですが、
うまく撮れない~!(><)すると、高山さん、ご自分の携帯で激写。

高山さんの携帯で撮ったもの。すごい、きれ~!!!

うわ~!ハートもばっちり♪
最近の携帯ってカメラ良すぎじゃないですか?!
高山さん、画像、どうもありがとうございます☆

この絵も好きです。潮というか、巻き上げる渦というか。
青くて、下がうっすらピンクなんですよ。題名は「いのち」なるほど~♪

ピンクがほとばしっています。なんか向こうからなにかが
駆け寄ってくるような感じがするんですよね。
そう思ったら、そういうふうにしか見えないのが残念。題名は「めぐみ」

こちら、今回の個展のDMになった絵です。
ほっこりとまんまるとした日の光に包まれたみたいです。
黄色と青緑のはざまの溶け具合が好きです。
所々、白い丸があるのも、光の粒のように見えて、好きです。
この絵は、最後まで、写真撮るの難しかったです。
淡い色合いで、実物はもっと綺麗です。題名「自由」

わたし、この絵、好きですよ。見惚れました。力強くて、
宇宙の中で惑星が壊れる、もしくは、生まれる瞬間みたいな。
緑色がとにかく好き。クリーミーな白色も。題名「叫び」。うん、でも、好き*
壊れることから、次が生まれるから。叫ぶことで、吐き出せるから。

う~ん、こちらもね、好きなんですよ。かっこいいんです。
ただ、写真に上手く撮れませんでした。実際に見て頂くのが断然いいです。
赤色の中に、白い光のようなものがあるんですが、
それが、巨大な太陽惑星から、火の玉(隕石)が地球に落ちるところ、
白いのがこっちに向ってくる?!そんな壮大な宇宙浪漫を感じます。
題名は「落ちる」。わたしの宇宙妄想もなんとかOKでしょうか?w

これはね~写真が良く撮れたので、気に入っています(笑)
これも好きですよ~!勢いがありますよね。火の玉が集まって
うねりをあげて火の粉を吹き上げいざ出陣!みたいな。
かっこいい~!!わくわくしてきます。題名「進む」

ここからはイラスト3枚続きます。
海の上で人魚がくるりと舞っています。題名は「自由」。

右側、「温室育ち」。どういう意味なのかな・・・と
考えずにはいられない題名です。こちらの絵は、お客様が
熱心にご覧になって、お求めをご希望されてましたね。

題名「彼女が自由になったとき」。この絵は、高山さんに
とてもよく似てるなと思いました。この日いらしてくださった、
ギャルリー・ジュイエの福田さんは、この絵がお好きだそうです。
ぱ~っと明るい笑顔と、赤いお花。開放感でいっぱいです。

高山さんの絵の題名や、お話の中で「自由」という言葉が
よくでてきてたな~と振り返ります。
「自由」って、他人から強制的に縛り付けられたりする犯罪以外は、
常に、人から与えられるものでも奪われるものでもないと思います。
今という状況を、自由と感じるかどうかは、すべて、
その人の心の中で決まるものと、わたしは思います。

可愛いです~!とにかく緑があたたかい。黄色が包まれてるみたいで、
抱っこされてるみたいかな。ところどころ、ちょっと黄色が飛び出てるんですが、
こぼれだした、溢れでたものと感じます。題名「大好きな人」

この絵は、ちょうど、丸い壁の部分にかかっていて、影も丸くてかっこいい!
さて、ぱっとみて「デビルマンだ☆」と思ってしまいました、すみません*
青い部分は寂しさと悲しさ、強さ、黄色い部分は、土のような変らない温もり、
消えない暖かさ、人の命などを感じました。人の悲しみ、寂しさなど知ってなお、
生きる人々の迷いや悩みを自分のことのように、受け止めようと。
あ~!デビルマン、また読みたくなってきました(泣)題名「God Father」

黒い部分が影絵のようにくっきりと浮き出ていて、
命の森、命の海を突き進んでいるようです。命の進化かな。
青い部分のひび割れみたいなのが、好きです~。題名「淵」

珍しく、真正面でとりました。これが一番、実際に見たときの印象と
変らなかったからす。この絵は、もしかしたら一番好きかも知れません♪
緑と、黄色(おうどいろ)部分が、丸く重なっているところ、
寄り添うような、お互い支えあうような。くっつきそうで、くっつかない。
ちょうど良い位置の心地よさ。さて、題名は「ZONE」でした。
新鮮に驚きました。そうきたか~!と。これだから、絵は面白いですね。

高山さん、16歳の初個展から3年ぶりの個展ということで、
このタイミングで、高山さんの個展を鑑賞できて、
ほんとに、よかった。嬉しかったです☆

最後、ご挨拶してお別れするときに握手を求められました。
若いのに、握手なんて、偉いな~!とますます頭が下がります。
握手をすると「手が小さい♪」と言われ舞い上がってしまいました*

高山さん、また機会があったら、お会いしましょう!
ギャルリー・ジュイエの福田さん、
「取材じゃなくても、またいつでもいらしてくださいね」
ありがとうございます!感謝の気持ちでいっぱいです(涙)

楽しい素敵な個展でした。どうもありがとうございました~(^0^)/☆


★高山美海さんブログ ultima

★ギャルリー・ジュイエ
  http://www.juillet.jp/
  東京都杉並区高円寺北3-41-10 メゾンジュイエ1階
  JR高円寺駅北口徒歩9分(早稲田通り沿いです)
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