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2007年6月 6日 (水)

ギャルリー・ジュイエ「タカハシカオリ個展01 コウエンジアニマルストリート」

クラフト縁で、ご登録頂いている、高円寺にある「ギャルリー・ジュイエ」さん。
いつか、行かねばと年賀状にも書いたのですが、
ようやくお伺いする事ができました!

クラフト縁にご登録頂いている、ギャラリーさまを取材するのは
今回が初めてなので、気持ちは盛り上がります!
しかも、今回取材させていただく
「タカハシカオリ個展01 コウエンジアニマルストリート」は
DMを一目見たときから「面白そう♪」とわくわくするものでした。
さあ、張り切って行ってまいりま~す☆

ギャルリー・ジュイエさんの中に入ると、まず、
フィギュアがパッケージに入ってずらりと展示してあるのが
目に飛び込んできました。どのフィギュアも大変面白いです。

人間なんですけど、顔は動物です。その人間らしさを出す為に
的確な動物、表情、動作、洋服のデザイン、色合い、
全てがひとつを物語っていて「こんな人いるよね」
「いるいる、こういう若者!」と顔がいつまでも、にやけてしまいます。

フィギュアは一体5千円で売られてましたが、洋服デザイン、
パッケージの色、人の動きの特徴など、とても精巧に作られているので、
これはそれ以上の価値あるなと思いました。実際に、観に来たお客様は
楽しんで買って帰られています。このまま、ビッグになってしまうんだろうな~
と、憧れのまなざしで拝見させていただきました!

さて、このフィギュアだけではなく、このフィギュアを街角に連れ出して、
写真撮影し、ストーリーがパネルで展示されています。

この写真とストーリーを観て読むことで、また新しい楽しみが広がります。

冒頭に一体一体、パッケージに入った状態(ストップモーション)で
観ていたものが、街中の風景におさまっているのです。
全く違和感が無くびっくりです。合成写真のように、小さすぎて浮くこともなく、
ほんとに、そこに、そういう人がいるみたいにみえます。
逆に、人が被り物を被って立っているように見えます。
偶然映っているという人も自転車も通行人も、皆、わざとらしくなく、
こっちを見てるわけでもなく、普通にしているのです。
直接地面に置いて撮影しているようですが、
いったい、どうやって撮ってるんだろう?!あまりの自然さに、興奮です。

また、全く同じフィギュアなのに、その動きが、他のフィギュアと組む、
絡ませることで、より「動き」が生きてくるように見えます。

そうか!この体勢は、こういうロケーション、シチュエーション、
ストーリーだから、余計に面白いんだ!とようやく、わかります。

物語が何人も絡んでくると、写真上にいない人も登場します。
そういうときは「うん?ハクビシンの彼女ってなんだっけ?」と
また、さきほどの、フィギュアの壁に立ち戻り、確認します。
「そうか、これか」ひとり、ニヤニヤしながら、また続きへ舞い戻ります。

ひとつのフィギュアを作ることで、そこで終らない、
更なる物語が続き、それを見せられた私達は、
目で観るフィギュアと風景、物語の活字から、目で見る情報以上に、
想像をふくらませて人間関係、前後関係を連想することができます。
タカハシカオリさんは、どこからどこまでを、どのように考えて
制作しているんだろう??凡人には考えられないところです。

タカハシさんは、 武蔵野美術大学で、最初平面に主に取り組んでいました。
3年生のゼミで、LEDが点滅したりなどの電子工作の授業を
選んで受けます。そのとき、はんだごてを使うのが楽しかったそうです。
このゼミの恩師が、4年生のときに、作品のファイルなどを見て、
平面より立体のほうが向いてるんじゃないかとアドバイスを下さいます。
もともと、小さいものを作るのが好きだったタカハシさんは、
卒業制作で、人形を創り、ここから、立体造形に移っていきました。

卒業後は、プロの方のアシスタントをされているそうで、
「全く違う世界感なので、尊敬しています。制作や個展活動も、
充分ご理解頂けているので、ありがたいです」とのこと。
いい環境で、なによりです。得るものも大きいと思います。

もともと、3人のグループ展「アオキタカハシナカジマ展」で、
「アイスクリームロック序章」を展開。
その後、銀座のペッパーズギャラリーの企画展
「ART CROSS PROJECT 2006」で、十二支、干支をモチーフにした
作品を発表。これらをご覧になった、ギャルリー・ジュイエの福田さんが、
「是非、アイスクリームの続きを」と企画展を持ちかけたところ、
半年間のスパンしかなかったので、アイスクリームは次回にし、
フィギュアと写真とストーリーのある企画展になりました。

タカハシさんが作りたい、気になったキーワードの言葉などを
動物に当てはめて形を作り、色を決め、
出来上がったフィギュアを持って、写真を撮りに行き、
最後に文章を作りあげていったというので、驚きです。

撮影の時は、全く構図など決めずに場所を見つけては
撮っていたそうです。といっても容易なものではなく、
高円寺駅を挟み、早稲田通りと青梅街道の間を2往復されたとか。

それにしても意識しないで、絶好のポジションで撮れたという事も、
素晴らしいと思います。ほんとうに意識していないのか、そのときの
天候、場所や人の出具合を見計らって、調度良いタイミングで
撮っていたとしても、偶然や運も実力のうちですから、
カメラで展示風景を撮ってる、なんちゃってカメラマンの自分が
非常に恥ずかしくなってきます。写真であっても、フィギュアであっても
センス抜群だな~と感心します。以下は、わたしが好きな写真を
ご紹介していきます。(ストーリーは割愛させて頂きますね)

右側。うさぎの「したり顔」とカメの「・・・」感が絶妙。
また、空の雲の見え加減がすき!地面にさす、柱の影がまたいい具合に
街角の昼下がりを連想させます。左のたぬきさんの後ろの影が
またとてもいですね。光と影、あるとないとでは違うのかも。

たこといかがピースしてる。先に見える、通りを歩いてるおじさん、
左右に見えるお店の旗、自転車、看板がいい。
コウエンジって感じがして、すがすがしい。

お店のディスプレイと、後ろの赤いお店と赤いおねーさんが
全く違和感が無くておもしろい。ほんとに、ばったり、
この2人に会った様な気になってしまう。

ほんと、ごめんなさい。いるよ、いそう。このカップル。
ほほえましいというか、若さ万歳。
右のナマケモノも、笑ってぶらぶら感が憎めない。

日陰というシチュエーションがいい。ほっとする。
奥に見える歩いてる人のぼけ具合もいい。
子ども2人と、お父さん蛙の服の色バランスがいい。

マグロの女子高生とオカピの男子高校生。制服がすばらしい!
手の表情もいい!奥に見える洋服の売り物や、
背後のおねいさんと、おばちゃんが絶妙!

私の最高賞は、こちら。牛。わたし、丑年なので嬉しい~(笑)
牛がスマートに煙草吸っていて、いっさいがっさい我関せずみたいな
佇まいがすてき。服のセンスもいい。立ってる足がいい。
後ろの自転車おじさんがおいしい。青い屋根と店先の商品の洋服、
手前に見える自転車の車輪、地面の具合、全部マッチしてる。

以上、ほんの一部ですが、ご紹介でした。この他にも写真は沢山ありますし、
それぞれの物語も気が抜けないほど楽しめます。

物語があまりにも良く出来ているので、街行く若者にインタビューしたのかと
思ってしまうほど、リアルな設定、話の流れは、とにかく脱帽でした。
フィギュアの数だけの、人間関係、歴史。
散らばったジグゾーパズルが組み合わさって、ひとつになるように、
ところどころ面白く、時々ほろっとしたり、
頷いてみたくなるような繋がりを持ったストーリーが
当たり前のことのように展開されていました。
現実にあっても、ちっともおかしくない。あるんじゃないかとさえ、思えます。

「テーマは、日常です」

友達との世間話などを聞きながら、自分と重ねて
ストーリーを考えて行ったタカハシさん。
この展示会では、タカハシという主人公(ブルドッグ)が、
カメラを持ってコウエンジという街の中で、さまざまな友達、
知人、関係ある人たちに出会って話を聞きながら、
回想したり、思ったことを交えつつ、そんな彼らを、
自分のカメラで撮ってゆく様子が書かれています。

「人間観察がすきなんです」
これは、キャラクターの設定にもあるのですが、
タカハシさんご自身がそうなんでしょう。

洋服の色やデザインなどは、ついつい、好きな組み合わせとかを
使ってしまうこともあるので、注意したそうですが、
基本的に、全く同じものは創れないそうです。
丁寧なフィギュアの色見本(デザイン帳)がありました。
一瞬一瞬のひらめきを、逃さない几帳面な姿勢を感じました。

つくったり、色を塗っていると、次はこうしたい、次はこうやりたい、
と、いろいろ浮かび、こんなアングルで撮影したいなと
わくわくしてくるそうです。頭の中でイメージが湧いてくるのでしょうね。

フィギュアを作るうえで、体の動きをちゃんと伝える事に
重点を置いているそうです。確かに、指の動きや、足の動き、
洋服のしわ、体のひねり具合など、リアルに忠実です。
その非常に現実的な体が物語る人間性が
顔がインパクトある動物や表情の無いアイスクリームであることで
余計にクローズアップされていきます。

「造形上のこだわりよりも、平面では出来ない、
 立体で、空間に置いたことで、
 そのものが存在している価値感をデフォルメしていきたい」

タカハシさんは、人の持つ日常性と、人それぞれの価値感、
存在意義などを、フィギュアという立体を通して表現しようとしていた。
また、今回の企画展では、写真とストーリーと関連付け、
いわば、平面との融合で深めようとしたのでしょうか。

それにしても、つくづく思ったのは、
タカハシさんは、フィギュアもつくれて(腕はプロ級)
写真も撮れて(表現しようというイメージをきちんと形に出せる)
そのうえ、ストーリー、エピソードも書けるとなると、
近い将来、彼女自身が人形を創ってCM発表したり、
CGとあわせて、技術を駆使したら、雑誌やテレビなどで
どんどんご活躍されていきそうですね。楽しみです~!

タカハシさん、これからも、自分の目と腕、感性という技術の向上を、
続けていってください!そして、先にいる諸先輩方々の活動から
いいものを、どんどん吸収していって欲しいなと思います。
この時期に、タカハシさんの初めての個展を見ることが出来て
とても嬉しく、楽しかったです。ありがとうございました。
これからも、創作活動、頑張ってくださいね!


ギャルリージュイエの福田利恵子さんにも、お話伺ってきました!

2003年、9月にOPEN、4年になるそうです。
もともと、OL時代、設計事務所の秘書として
現場でいろいろな仕事をこなして多忙だったそうです。
その後、派遣会社のコーディネーターをし、雑務から営業、
人と職場のサポートなどに携わる仕事に就きました。

しかし、お母様の介護のこともあり、OLを辞め、
介護をしながら出来る仕事は無いかと探します。
調度、お母様と共有名義で土地を持っていたため、
その土地に建物を建て、貸すことで、
家賃収入を得ながら介護をしていこうと決心。

その矢先に、お母様は寿命を全うされ、天に召されてゆきました。
お母様の介護がなくなった今、なんの仕事をして生きていこうかと考えます。

2000年頃から、インターネットでなにかをやりたい、
という思いと、漠然と、ギャラリーって面白そうだなと思い始めます。

ギャラリーと言っても、アートの繋がりがあるわけではない、
どうやって作家さんを募集したらいいのか。
そこに、インターネットがつながります。
ホームページを作って、宣伝して募集すればいいんだ。

やりたいことをやっていこう、やってみたくなった以上、やってみようと、
無謀にもギャラリーOPENへの道はスタートを切ったのでした。

設計事務所に勤めていた関係で、建築関係のつてには困らなかったので、
まず、スケルトン状態だった1階を、デザイン、設計、施工まで全てお願いしたそうです。

高円寺と言っても、駅から少し離れていて、場所としてあまり向いていないぶん、
スペースをしっかり作ることを念頭に入れたそうです。

また、ホームページのほうは、見やすく、日本語表記を使い、
ワンクリックで見たいところに飛べるよう意識したそうです。

こうして、今に至りますが、
やっと昨年あたりから慣れてきました、と福田さん。

どうせ、素人がやることなので、月2回展示会が出来たら
いいんじゃないかと思ったそうです。
ギスギス急いでも仕方が無い。自分の充電の時間も大切にしたかった。
また、貸しっぱなしにもしたくなかった。搬入、搬出は手伝い、
作家さんと一緒に一生懸命、空間作りのための勉強をしているそうです。

結局、振り返れば、OL時代は仕事が大変でキツかったけど、
今となっては、全部自分ひとりでやらなければならないことばかりなので、
過去の仕事経験のおかげで、こなせているので、感謝の気持ちでいっぱい。

美術の造形に詳しくないところからのスタートなので、
敷居が高い、入り難いギャラリーにはしたくなかった。
借りる人も借りやすく、学生さんでも借りれる、
まったりとしたギャラリーにしたいと思っている。
でも、365日働いていて、365日遊んでるような仕事ですけどね。
そう言って、福田さんは笑ってらっしゃいました。

お話を伺っていて、努力を惜しまず経験を積んできた方は、
やがてそれが身となり糧となり余裕となって財産にもなる。
わたしも「365日働いて、365日遊んでる仕事です」
と言って笑い飛ばしたい!そのくらいの大人になりたいわ!と
まだまだ尻が青い自分を痛感しました。
ギャルリー・ジュイエの福田さん、お会い出来て、
お話伺えて嬉しかったです!!ありがとうございました!
これからも、よろしくお願いします!


タカハシカオリさんHP
http://www.takahashikaori.net/


ギャルリー・ジュイエ
http://www.juillet.jp/
東京都杉並区高円寺北3-41-10 メゾンジュイエ1階
JR高円寺駅北口徒歩9分(早稲田通り沿い)
地図 http://www.juillet.jp/gallery/map.html

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