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2006年9月23日 (土)

atelier Terra/田村和也さん

にこにこネットの「アート空間」でご紹介している、 土の会主催の田村和也さんのatelier Terraさんに行って来ました。 田村さんのHPには、「土と遊ぶ・左官」 「よりよい安全な住い」「合成化学物質排除」 「非燃焼で土を生活空間や造形に活かす」 というキーワードと文章がたくさんあり、 まずどこから紐解いていいのか、わからないというのが正直な感想でした。

あとで気がつくのですが、それだけ、わたしたちは 「当たり前すぎて考えたことも無い(無知)」のだということ。 HPの中で、魅かれたのが「泥団子」の綺麗さと可愛さ。 これを見てみたい、作ってみたい!その好奇心が大きかったのでした。 どんなお話が聞けるのだろう、そして泥団子って どんなのだろう!わくわくどきどきしながら行ってきました。

上石神井の駅の近くに、atelier Terraさんはありました。 田村和也さんは、ずっと建築のお仕事をされていて、 その後、教職に携わり、この土の会主催の活動は10年になるそうです。

まず、簡単に、土のご説明から。 土というのは、砂利と、固まる性質の粘土とで出来ている。 ふるいで振って、水に漬けて、粘土だけを取り除きます。 粘土だけですと、固まる力が強く、ひび割れてしまいます。 そこで、砂と藁を入れます。粘土と藁と砂をブレンドしたもの、 これが「土壁」です。昭和30年くらいまでの家は、どこのお家でも この土壁だったそうです。
この土壁、まさに日本文化のベースであります。 土壁はなぜこんなに丈夫なのか。 日本文化を見直すきっかけともいえます。
古来から、石のある国は石で、木のある国は木で家を作ってきました。 日本はどうでしょう。日本は、粘土分を多く含む土と木がありました。 この粘土分の多い土のおかげで田んぼが作れました。 稲作が普及したから、藁が作れました。 海岸ではたくさんの砂。こうして、いくらでもある粘土土と藁、 砂と木で家を作ってきました。台風や嵐で壊れても、 いくらでもまた作りなおせます。材料は身近にあるものなのですから。 ここに余計な化合物、不純物、金属はありません。
日本のお城の壁は真っ白ですが、あの白は石灰だそうです。 この左官技術、土壁そのものが、日本の文化ともいえるのです。 我々日本人は、昔からある身近なもので、家を作り、 全て還元の原理で暮らしてきたのです。
田村さんの作られる、この泥団子は、その土壁の作り方を 基本にしています。日本の左官技術の素晴らしさを ぎゅっと詰めた、日本文化の象徴でもあるのです。
このお話を伺って、 「左官」と「土」の繋がりの謎がとけました。そして、生まれたときから、出来上がっている家で 電気製品に囲まれて、何不自由なく育ってしまった自分が、 なんで日本に田んぼがあるのか、ましてや土そのもののことなど、 全く考えにありませんでした。
小学校で道徳の授業はありましたが、土や家、となると、 歴史で古墳や竪穴式住居は勉強しましたが ちょっと前まであった日本の住宅の出来方、 それに土が係わっているということは全く知らず思いもしませんでした。 当たり前すぎて視野にも入ってなかったかもしれません。 もしくは園芸や農業に携わる人には関連あっても、 自分には関係無いと思ってました。ショックでしたね。

ごく当たり前の、身近にあるものを使って循環してゆく、 日本の文化のベースです。ものづくりってなんですか。 そう問われた気がします。ものづくりとは、様々な学んだ事の 結果、歴史、背景を知ることからはじまるように思います。

絵を描く。絵の具ひとつをとっても、化学物質が 大量に入っているという事実に気がつきませんでした。 決して口に入れてはいけないものです。 たくさん生産するために、そういう調節がされているのです。
この、日本にある土の色が、こんなに自然で綺麗だという事を もっと知るべきではないでしょうか。 田村さんは、日本各地から土を採取しています。 土の色ってこんなにあるんだとびっくりします。 そして、自然の色は、とてもきれいであることに感動します。

アトリエのお庭で藍を見せて頂きました。 実際に植物を植えて育てるところから色を作り出しているそうです。 青い色の粉は全部、藍。ひとつの植物からこんなに様々な藍色が生まれます。 ひとくちに藍といっても、こんなにあるのですね。 これら、全て、田村さんが手間と時間をかけて用意されたものです。 ここに写っているテーブルも、田村さんが作り、藍色を吹きかけたものだそうです。とても素敵です★
こちらは染物。田村さんは、作業後、掃除をしている最中に、 雑巾でとれない(水に濡れてもとれない)土があることに気がつきました。 そこで、水に落ちない土の研究をはじめ、このたび、こうして、 土を洋服の染物として活かす方法に辿り着いたのでした。 さらさらで、とても気持ちよい肌触りでした。

田村さんは「燃焼させない」「CO2を出さない」を唱えています。 地球の環境問題でもあり、日本人の環境問題でもあります。 今の日本の建築物は土壁ではありません。 便利で早く、スピード重視の大量生産の結果が、 建物に様々な化学物質を溶け込ませていきました。 あの石綿は塗料にも入っているのです。 自然素材からかけ離れた、化学物質に囲まれている事になります。 生まれた時から、その環境にいる子供が大人になって また子供を産む時、女性の脂肪に浸透していった化学物質が 母体から次の世代に見えないうちに、知らないうちに、 受け継がれていくのだそうです。それらが、アトピーや、 いろいろな症状として出てくる。 これが現実なのだそうです。
そう考えると、知らないというのは、ほんとにこわいものです。 お話を伺っていて、鳥肌がたってきました。 「だから、早いうちに子供産めっていうでしょう~」 と言われましたが、そういう意味とは思ってなかったから 「きゃ~!!(><)」ほんと、こわいです!

最近は、食べ物も、ものづくりも、「スロー思考」ですね。 焦ってやる事はない、ゆっくりやればいい。 早いスピードで大量生産の時代は終ったのです。 つくればいいってものではないのです。 便利に簡単に手軽に、美味しいところだけを頂戴ではなく、 ひとつひとつ、性質を知って、時や季節を感じ受け止めながら、 時間を惜しまず向き合っていくことの大切さ、を感じました。

田村さんは、土壁の左官技術を泥団子に、 土から絵の具を作ったり、染物にしたりして、 土の素晴らしさを実際に形にしてわかりやすく見せてくださいます。
ものづくりをとおして、 有害な化学物質のない、自然にある土を活かせないか、 ものづくりをする人に、様々な形で発展させるチャレンジをしてほしい、 日本文化の素晴らしさを支え伝える職人さんを願っているとお話下さいました。

5時間ほど、お話を伺って、考えさせられる事がいっぱいでした。 それでも、きょう伺った事は、あたまの片隅に置きつつ また明日から、日々の生活や仕事に追われてしまうのが実際です。
でも今日、こうして田村さんから知らなかった事をたくさん 知ることが出来ました。わたしたち先祖が、 どのように生きてきたか知ることが出来ました。 当たり前すぎた「土」の存在が、少し身近に感じられました。
泥団子は作る工程が非常に難しそうですが、是非作りたいので、月一回のペースで、 のんびり作っていきたい、たぶん、失敗ばかりだと思うけど、 少しずつ増やしていきたい、とお伝えしたところ、 失敗して当たり前、成功したらびっくりすればいい。 失敗から学ぶ事がある、とお言葉を頂戴しました*
いろいろな色がいっぱいの泥団子。これが土なんですものね★ そのときそのときを精一杯楽しんで形にしたい、 なにかを作ることに、凄く憧れがありました。 これもまたご縁なのかな~と嬉しく、貴重な忘れられない1日になりました。 田村さん、ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします。

atelier Terra
土と対話し、遊び、可能性を広げる土の会主催の田村和也さんのHP。
アトリエ・テラでは、商品化や工事受注、私たちが忘れがちな、
「手間暇をかけ素材から材料を造り、作り上げたものを愛おしむ心」を
共有出来るようなワ-クショップ(体験学習講座)を積極的に展開されています。
泥団子や染物に興味のある方など、どうぞご覧下さい☆

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